映画「阿弥陀堂だより(2002年公開)」を観た。
【解説】東京の暮らしに疲れ果てた一組の夫婦が、大自然の暮らしの中で再生していく姿を描いたヒューマン・ドラマ。監督は「雨あがる」の小泉堯史。南木佳士の同名小説を基に、小泉監督自らが脚色。撮影を「雨あがる」の上田正治が担当している。主演は、「東京マリーゴールド」の寺尾聰と「女殺油地獄」の樋口可南子。第76回本誌日本映画ベスト・テン第7位、日本映画助演女優賞(北林谷栄)、日本映画新人女優賞(小西真奈美)受賞、第26回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞(北林谷栄)、新人俳優賞(小西真奈美)、優秀作品賞、優秀監督賞、優秀主演男優賞(寺尾聰)、優秀主演女優賞(樋口可南子)、優秀脚本賞、優秀撮影賞、優秀照明賞、優秀編集賞、優秀録音賞、優秀美術賞、優秀音楽賞受賞、第57回毎日映画コンクール日本映画優秀賞、音楽賞受賞、第45回ブルーリボン賞新人賞(小西真奈美)受賞、第26回山路ふみ子文化賞(北林谷栄)受賞、日本ペンクラブ賞会員選出ベスト5日本映画第2位、2003年度文化庁優秀映画賞日本映画復興奨励賞受賞。
抜群の存在感である北林谷栄を始め、地元の方々と思われる出演者の自然な演技と共に四季折々の様々な表情を見せる信州の山々と棚田、清流の美しい景色と重なる。田村高廣演じる末期がんの先生が治療を断り、静かに逝くシーンとそれを受け入れる香川京子演じる奥方の凛とした姿は実に清々しい。また先生の逝去の瞬間に照らされた光はまた新しい息吹を吹き込んだのだろうか?樋口可南子の映画はほとんど観たことが無かったが、彼女がとても美しく映った。また小西真奈美演じる声が不自由な女性はとても清楚で可愛らしかった。
大袈裟な演出も展開もなく、静かに穏やかに時間が流れる素敵な作品だった。恐らくこの年齢で見たからこその感動だったと思える。