借り手が家賃を2ヶ月滞納し、連絡が取れないなどの事情があれば家賃保証会社が「部屋は明け渡された」と扱えるかが争われた裁判で判決が出た。
問題となった保証会社の二つの条項「家賃を三ヶ月滞納すれば借り手に知らせず賃貸借契約を解除できる」「借り手が家賃を二ヶ月滞納し、連絡がつかず、電気・ガス・水道が長く未使用などの条件が揃えば明け渡しがあったとみなす」について、最高裁はこの二つの条項を違法と認め、契約条項の使用差し止めを命じた。裁判所の「賃貸借契約を解除できるのは保証会社ではなく貸主」はある程度納得する部分でもあるが、この手の裁判でよく登場する「部屋を使う権利が一方的に制限され、法律上の手続きなしに明け渡しが実現する状態になる」部分や「借り手の居住権が著しく制限されるという主張に正面から応えた」評価する原告弁護団のコメントには違和感が残る。
これまで滞納者の対応について2009年前後に追い出し行為が社会問題となり、それから13年が経過しても思うことは同じで、ちゃんと支払っていれば何の問題はなく、ただ何らかの事情で支払いが困難になった場合に誠心誠意対応して貰えれば応えるはずだが、「逃げてしまったら」保証会社も心穏やかではない。支払うものを支払わなければ、店舗では無銭飲食や窃盗になるものの、賃貸住宅においては「居住権・生活基盤の保護」の下、手厚く保護されてしまう。従来からの「オーナーは人に貸すほど余裕がある」の司法の考えがまだ根強く残っているように思える。
誠意なき盗人猛々しい滞納者と未払いでも手出しが出来ない家賃保証会社とでは、果たしてどちらが弱者なのだろうか?