青空に吸い込まれるように、岩国錦帯橋空港を飛び立つ一番機
多くの市民や、周辺住民の期待を乗せて、真っ青な空に吸い込まれるように、岩国錦帯橋空港を飛び立った一番機が、満潮の海を越えて東京に向かった。
何でもかんでも計画が発表されるとたちまち反対運動が展開される岩国市にあって、比較的穏やかな反対運動の中、産業振興や観光客誘致という、豊かな都市作りを目指すこのたびの民間空港開港。いよいよ岩国市も空の門戸を開いたことになる。
2012年12月13日。岩国錦帯橋空港が開港した。
7時30分、第1便出発に合わせて、滑走路南側の門前川を隔てた瀬戸内海堤防道路に三脚を立てた。かじかみそうな指に息を吹きかけ300㍉望遠レンズ装着。
米軍岩国基地滑走路を供用するという、珍しい民間空港。カメラの位置からは、米軍の建物に阻まれて滑走路は見えない。もちろん機体も見えない。
耳を澄ませ、スタートエンジン音の轟きを待つ。今か今か息を潜めるようにひたすら待つ。雲一つない快晴の日差しが海面を輝かせ、待つ身を慰めてくれる。
待つこと24分。7時54分、ジェットエンジン音が一気に高まった。辛うじて垂直尾翼の移動が目に入る。必死にカメラで追いかけるが建物の陰に隠れ、一瞬見失う。次に機体を見つけたときは地上数十㍍であったろうか。
それでも間違いなく、開港一番機飛翔の機影をこのカメラに納めた。やったぜ!!
何はともあれ東京が近くなった。我が家からクルマで30分もあれば充分に空港に行かれる。羽田から浜松町へでる煩わしさなど合わせると、さて新幹線とどちらが・・・。
などと今、思案するのは辞めよう。産業、観光など市の活性化に素直に期待しよう。
午前7時54分、第1便となる全日空機が乗客150人を乗せて羽田空港へ向けて離陸し、48年ぶりとなる民間空港定期便が就航した。
新規開港は2010年3月の茨城空港以来で、運用中の空港では国内98か所目。米軍との軍民共用は三沢空港(青森県三沢市)に次いで2か所目で、既存の滑走路や管制施設を使うため、低コストで整備できるのが特徴だ。国管理空港で、国が約46億円(当初見込み)で駐機場などを整備。管制業務は米軍が行う。
全日空が羽田線を1日4往復運航。山口県東部や広島県西部からの利用が見込まれ、国の需要予測は年間35万人。岩国―東京を1時間30~40分で結ぶ。(この項はネット拝借)
機首を上げたと思ったら、あっという間に遙か青空の彼方へ消えていった。