終戦から76年となった今日、令和3年8月15日、全国戦没者追悼式が日本武道館で開かれた。
昨年から続くコロナ禍によって、遺族の参列も極端にしぼられて比較的静かな式典であったような。それでも天皇皇后両陛下をはじめ、三権の長と呼ばれるお歴々の参列で、式典の重みに変わりはなく粛々と進められた。時の総理大臣による式辞に続いて、正午に合わせて1分間の黙とうを捧げた。
「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願います」との天皇陛下のお言葉に、追悼式の意義の全てが込められているのを感じた。
振り返って去る8月6日午前8時15分。世界初の原子爆弾が広島に投下された追悼式の日。小6の孫に急かされて黙とうを捧げた様子を、毎日新聞はがき随筆(252字)にまとめてみた。奇しくも終戦記念日の今日掲載された。手前味噌で勝手な話ながら、平和への想いを斟酌頂けると幸いです。
「黙とう」
8月6日の朝8時12分。
夏休み中の小6孫君がいつも通りじいちゃん学校に登校してきた。
「今日は黙とうする日よ、どちらを向いたらいい?」とジジを急かせる。
東の空に向かって起立。8時15分、近くの防災スピーカーから追悼のサイレンが鳴り響く。
1分間、身じろぎもせず黙とうする孫君の後ろ姿に、学校での平和学習の成果がうかがえる。
あの忌まわしい原爆投下から76年。私たちは年を取った。
将来を担う彼らの心の奥に、核兵器のない平和な世の中の大切さを刻み込ませる大切な日であり、
意義ある黙とうを捧げた。