頑張っても頑張ってもその努力が報われないとき。ひたすら我慢して想いを届けようとしても届かないとき。そんな時の慰めや、一息入れさせてあげるタイミングで激励の声を掛ける言葉に「明けない夜はない」とか「降り止まない雨はない」というのがある。
この歳になってはそんな慰めや激励とは少し縁遠くなった感はある。が、まるっきり縁無しとは行かない。そりゃ感情ある人間だもの。暖簾に腕押しみたいなことが続けば、落ち込むことだってあるさ。
そこで気になるのは、11日夜から降り出した雨が止む気配を見せないことである。
九州一円から中国地方、関西、関東、東北まで半端でない大雨が降り続いている。それも日本列島至るところで土砂災害や河川の氾濫、大水害をもたらす、これまでに経験したことのない大雨が降り続いている。日本三大奇矯の一つ名勝「錦帯橋」が架かる錦川の源流とも言える、市の山間部では500ミリに近い降雨量という。実におとろしいことである。
その上に、今夕の雨予報を見ても「降り止まない雨はない」と思えない雨雲分布であり、線状降水帯の危険を秘めている。大きな川の源流付近に降る大雨は怖い。いつどこで流れがまとまって下流を襲うかわからない。常にその危険性を潜めている。これほど多くの人が怖れおののき、困っているのだから「降り止まない雨はない」のことわざを実現して欲しいものだ。
そして今ひとつ。国家政策として、東京都はじめ全国都道府県挙げて対策を叫んでいるのに、減少どころか増加が止まないコロナ感染である。コロナに関しては、降り止まない雨を上がらせるほど難しいことではないような気がする。命を脅かす感染症にかからない努力は、個人の対応で可能である。線状降水帯を追い払うよりは容易いことだと思うのだが、間違っているのかねー。
これこそシャカリキになっても一向に成果が表れない、気持ちが伝わらない暖簾に腕押しの空しさを覚える。