キーパーと聞いて真っ先に思い描くのがあの、ゴールネットの前で身体を張って相手のシュートを阻止するサッカーやハンドボールのキーパーのことであろう。
この頃ではキーパーさんも多様化して、キーパーコーティングとかキーパー洗浄と呼ばれたり、ハンドルキーパー、ハウスキーパー、グラウンドキーパーなどと呼ばれる人が多くなってきた。一つの時代の流れなのだろう。
キーパーとは、守る人、番人、付添人、管理人、看守などと幅広い。いずれも主役というよりも脇役か裏方さんというイメージであることに気付く。
今ここで話題にしたいのは、グラウンドキーパーという、主に硬式野球のグラウンドを整備する人のご苦労に触れてみたい。
今、兵庫県甲子園球場では夏の全国高校野球大会の真最中である。今年の不順な空模様の中で、何日も順延になったり、雨による途中コールドゲームがあったり、選手はもとよりふる里の応援団にとっても、まさにいつ何が起こるか分からない中で、幸運を祈りながら応援するというのが現実である。
試合の途中に雨が降り始めると、それこそ大変な努力と正確な眼力で、部分的にあるいは全体的な応急補修を迫られる。長雨になればあの広い内野グラウンドを覆い尽くすほどのシートで雨よけを施す。逆に暑くて土の表面が乾きすぎて起こる凸凹に対しては、地ならしや適度な水分散布の水まき技術が要る。これらは機械や動力に頼れない。人の手による確かな感触が求められる。
およそ世の中の晴れ舞台とは、こういった守り人、管理人、付添人と呼ばれる人たちに守られていることが多い。何事にも感謝を忘れてはならないことを改めて思い知る。
そして相変わらず増え続けるコロナ感染者。この件に関しては、守り人も管理人もいてはくれない。全てが自分自身の意識にかかっていることを、今一度思い起こしたい。
最高の環境で野球が出来るのはグラウンド守り人のお陰。コロナを撃沈させて快適な生活を取り戻す守り人は、自分自身しかいない。