何はともあれ、この初山芋は食べて見なければならない。
表の水道水で洗った山芋の水分は、キッチンペーパーで拭きとり、ガスの火であぶりひげ根を燃やす。
小石混じりの土などで表面が凸凹していたらピーラーで皮を剥きますが。
これだけ表面が滑らかな山芋は、ピーラーで皮を引くだけでも勿体ないですからね。
長い間使い続けている、すり鉢、おろし金、すりこ木棒の出番です。
出し汁に凝る地方もあるようです。干しアユや、貴重なモクズガニさえ使うところも。
我が家流は素材の味を楽しめるように、出汁には拘らず煮干しで出汁を取った濃いめの醤油汁。
摩り下ろした山芋です。
真っ白なのは美味しい山芋の証拠。中には摩り下ろすとすぐに色が変わるものもあり、その茶色に近い山芋は美味しくない。
でも、間違ってその美味しくない山芋を掘り、そして摩り下ろしたら別の用途もある。
例えば、海苔で巻いて油で揚げても良いし、団子汁のように汁の実にしても美味しい出汁が出ますよ。
摩り下ろした山芋に、件の出し汁を少量ずつ加えてすりこ木棒で引き伸ばす。
ここが肝心なところ。一気に多量の出し汁を加えると山芋が浮いてしまい、混じりません。
根気よく、伸ばした山芋に少しずつ出し汁を増やしながら続ける。
ある程度混じって粘り気が緩くなったらもう大丈夫。そうなったら多めに入れても伸びますから。
(続く)