小柄なスモーキー・バレットは優秀なFBIの捜査官であり 愛する夫と一人娘
実に幸せな家庭の持ち主だった
その日までは
スモーキーが追っていた犯人ジョセフ・サンズは 彼女の家に入り込み 彼女の家族を死に至らしめ 彼女自身の顔半分と全身に傷をつけた
辛うじて反撃しサンズを射殺したものの かけがえのない存在を永遠に喪った彼女は 職場に復帰できずにいた
ハンサムな精神科医のピーターのもとに通っているが 悪夢の終わる時がない
そんな状態のスモーキーに更なる手強い犯人からの指名があった
殺されたのは親友アニー
犯人は 切裂きジャックの血筋と名乗る
スモーキーを切裂きジャックを追いかけたアバーラインになぞらえ 自分を追いかけろ と言うのだ
自分の弟子も作ったと
犯行の様子を撮影し 編集したビデオを見ていたスモーキーは 犯人は一人ではないことに気付く
スモーキーのチームの捜査官達はそれぞれ大切な物を脅かされたり奪われたりする
犯人にはそれだけの情報を入手する手段を持つ立場にいるのだ
更に起きる殺人
切裂きレイプし殺して内臓を抜く
犯人の次の標的を知ったスモーキー達は罠を張り 一人を捕まえる
その家を捜査し 犯人に繋がる手掛かりを得る
犯人の初期の犯罪を捜査していたドン・ローリングス
刑事の心を見失っていた彼の再生しかかる様子がいい
犯人の母親の家で 遂にスモーキー達は その正体を知る
正体を知られたと考えた犯人は スモーキーに先回りし 1対1の対決を提案してくる
参考までに 切裂きジャックというのは 19世紀末 ヴィクトリア女王治世したの英国で 娼婦を殺してその内臓を抜き 捜査陣へ 腎臓など手紙と共に送りつけたりした
最後と目される凄惨な犯行から先 ばったりと姿を消し その正体は不明のままだ
事件の猟奇性から 今も研究者が絶えない
王子 有力な貴族 医師 肉屋
それぞれが犯人候補を推理するが いまだ決定的な説はない
ゆえにそそられるのか多くの本 物語も書かれている
娼婦の死体を解体して ジャックは何を得たかったのか
我こそは切裂きジャックの再来と名乗る犯人は この小説でもそうだが
ある意味 模倣犯に過ぎない
一つの事件は終わっても捜査官の生活 仕事に終わりはない
また次の事件が待っている
この本は作者の処女作となります