読売新聞連載中 「暗獣」の途中あたりまでは読んでいた
しかし新聞連載の小説は毎日少しずつしか進まない
いずれ一冊の本になるだろう
真面目に毎日読み続けては なんだか損をするような気がした・・・
買ってきても読了するのが惜しくて しばらく読まずにいた
読んで もし面白くなかったら 嫌な話が入っていたらつまらない
失望したくなかった
期待を裏切られたくなかった
新聞連載時の南伸坊の挿絵が入っているのも楽しいです
三島屋の姪おちかは旅籠をしている実家にいる時 縁談が因で大切な人間に死なれてしまった
故に花も盛りな年頃ながら 余り店からも出ないで引きこもるように暮らしている
ひょんなことから始まったのが 黒白の間と名付けられた座敷で 少し不思議な話を聞くという趣向
「逃げ水」
いけ好かない男に連れて来られたのは 水を涸らしてしまうという子供
子供は山で人ならぬ存在に出会っていた
確かな怪異にも三島屋の人々は皆優しい
「藪から千本」
双子の一人 お花が死んで暫くしてから幽霊となって出るようになったとか
いまわのきわの姑の言葉
双子を忌む思い
姑への反感
人間関係の雑多な感情
それらが呪いや怪しきことを育んだ
「暗獣」
化け物屋敷に住む夫婦が出会った黒いもの
心優しい生き物と人は長くは暮らせない
「吼える仏」
里の人間は魔に魅入られた
魔になった男の呪いが豊かな里を廃墟にする
人と関わりながらーおちかは少しずつ 成長していく
新しい登場人物達もそれぞれ魅力的
三島屋とおちかの今後が気になります
シリーズ2作目
あと少し続くのではーと思います