夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「繭の見る夢」ーゆきえー1ー

2012-09-26 14:08:34 | 自作の小説

腕の中に赤い蛇がいる
右腕の内側に浮かび上がる
赤紫色の蛇

蛇は舌を出し 横を向き 半ばとぐろを巻いている

夢の中に蛇がいて その蛇は夢の中 腕へ取り付き 入り込んだ

眠るまではいなかった蛇が 腕に居る

それは決められていた約束ごとのように思えた

夏になるとホラー番組などテレビで放送され 霊がはっきりと写真やビデオに残っているのが放送される

それって本当だろうかと私はずっと思っていた

母はたまにだが何か視(み)える人だった
視えてもいい事なんか何もないと言っていた

視たことを教えても 人は信じないし逆に恨まれたり 変に思われるし自分に返ってくる

怪我をしたり病気になったり 事故に遭うと

結局 母は病気で病院で死んだ

写真家の父は殆ど家に居ない人で 母の葬儀にはどうにか帰国したけれど またじきに居なくなった

一応 今後どうするか尋ねてはくれた

まだ16だし 高校卒業して大学まで行くと言った

14の弟は走ることが好きで 家を遠く離れて6年制の全寮制の学校で暮らしている
いつか出雲や箱根の駅伝を走ることが夢
体鍛えて大学に行くーと言った

「午年でもないのに よく走ること」と言ったら

「名前のせいだろ」と弟が答えた

弟の名前は一馬と言う

私達の会話を聞き父は苦笑した
一馬と付けたのは父だったから

「一馬のことは ゆきえに任せた」と父が言った

ゆきえは私の名前

父は母の姓の華守と言う名前が気に入り 「こんな綺麗な姓を絶やしてはいけない」と母の戸籍に入った

私達姉弟にも 名前を残すべく養子を取れ 嫁をもらえーと言っている
変な人だ

それから二年ばかり
任されたので 学校が休みになると 弟のところまで会いに行く

私の腕の蛇のように 弟にも何か変化がないか気になるし

弟はいつも通り必要以上に元気だった
弟がへばっている姿を見たことがない

16才で178センチ
とうとう抜かれてしまった
あいつ縦にばかり伸びているみたいだ
憎ったらしい

「ねえちゃんこそ大丈夫なのかよ 帰り道 気をつけるんだぞ」 地元土産の銘菓を渡すと
「評判いいんだ これ 有り難う」

子供の頃よく少女と間違えられた綺麗な顔立ちは そのままにちゃんと男の顔になりつつある

「受験の年だろ 自分の事 頑張れねえちゃん」

年下のクセに時々年上のような表情になる

はいはい 頑張ります
ついでにちょっと観光しながら帰るのだ
その汽車で私はちょっと亡き母に似た雰囲気の女性を見つけた

何故か思い詰めたような焦ったような表情をしていて そんなふうに見えるその女性は 時計と窓の外をにらめっこしていた

次の駅のアナウンスがあり その女性は席を立ち降り口へ向かったが
汽車は駅に停まらなかった

私はちょっと呆気にとられた

汽車は騒ぐ乗客をよそに終点まで走って漸く停まった

汽車が停まるまでその女性は携帯をいじり続けていた

「大丈夫ですか」声をかけてみたら
「携帯が繋がらないの 電話もメールもダメ」

終点では結果として乗り越しになってしまった客達が 降りる駅に汽車がきちんと停車しなかったことについて抗議していた

代替えバスや 乗車券を出してくれるらしい

事故にならないで良かった

私は 気になる女性に声をかけてみた

一人はちょっと心細かったし
「この後 どうなさいますか」

「娘を迎えに行くところだったから
だけど 携帯が使えなくて」

代わりに私の携帯を使ってみたが 私の携帯もダメだった

「とりあえずここを離れませんか」

場所を変えて 携帯を使わないかと提案してみた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー関連作です↓読んでいただければ嬉しいです

「愛しいあなた」

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120818

「堕恋」-もしくは繭の見る夢・序ー

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120818

「禁忌の水」

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120818

「繭の見る夢」-1-

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120819

「繭の見る夢」-1´ー

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120819

「繭の見る夢」-2-

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120819

「繭の見る夢「-2´ー

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120820

「繭の見る夢」-真ー1-

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120821

「繭の見る夢」-マツエの姉妹ー1-

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120825

「繭の見る夢」ーきぬの記憶ー1-

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120826

「繭の見る夢」-紀梨子ー1-

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120827

「繭の見る夢」-紀梨子ー2-

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120828

「繭の見る夢」-沙月ー1-

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120829

「繭の見る夢」-紀梨子ー3-

http://yumemi.blogzine.jp/zatudansitu/2012/09/post_9ff6.html

「繭の見る夢」-紀梨子ー4-http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120905

「繭の見る夢」-紀梨子ー5-

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120906

「繭の見る夢」-鬼となるモノー

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120906

「繭の見る夢」-怨む女ー

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120907

「繭の見る夢」-マツエー1-

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120908


三浦しをん著「桃色トワイライト」新潮文庫

2012-09-26 13:52:57 | 本と雑誌

三浦しをん著「桃色トワイライト」新潮文庫
三浦しをん著「桃色トワイライト」新潮文庫
三浦しをん著「桃色トワイライト」新潮文庫
三浦しをん著「桃色トワイライト」新潮文庫
三浦しをん著「桃色トワイライト」新潮文庫
仮面ライダークウガと大河ドラマ新撰組に嵌まり ヴィゴ・モーテンセンとオダギリジョーへの愛に満ちて このエッセイ集を書いた頃の三浦しをんさんは生きていたらしい

BUCK-TICKに愛を
漫画に愛を

妄想女王は驀進中

つまりはーそういう一冊です(笑)

「最後の恋」三浦しをん著「春太の恋」収録http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20100111

「まほろ駅前多田便利軒」

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20110409

「まほろ駅前番外地」

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20110409

「木暮荘物語」

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20110410

「星間商事株式会社社史編纂室」

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20110411

「神去(かむさり)なあなあ日常」

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20110413

「舟を編む」

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120324

「悶絶スパイラル」

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120921

「しをんのしおり」

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120925

「人生激場」

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120925

「夢のような幸福」

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120925

「乙女なげやり」

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120926


三浦しをん著「乙女なげやり」新潮文庫

2012-09-26 01:58:34 | 本と雑誌

「アラベスク」
「白い巨塔」

ジャニーズ

貧血起こしたこと

少女漫画
少年漫画

そんな漫画もあったなぁ などと思いつつ

世代の差も感じるのだ

「白い巨塔」は田宮二郎さんの財前が浮かぶ

「りぼん」に「アラベスク」が連載された時代
ロシア人は暗いという印象 前提が少女漫画世界ではあった

レオ・リジンスキーは珍しいキャラだった

「アラベスク」第二部は白泉社「花とゆめ」で蘇った不死鳥のように連載される

多分ユーリとノンナは結婚しただろうが 夫婦仲はうまくいったのだろうか

三浦しをん嬢の妄想を読みながら ふと考えた