夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「繭の見る夢」ー鬼となるモノー

2012-09-06 21:00:20 | 自作の小説

嫁いで三月(みつき) 実家の父親が急死し体調崩した母親への見舞いに 夫の勧めもあり佐登(さと)は 屋敷へ戻ってきた
三月の間に実家は随分と雰囲気が変わっていた

戸惑いながら 床に休んだままの母を見舞う

佐登には母親に報告したいことがあった

ややを授かったことを伝えていると
ギッと音を立てて襖(ふすま)が引き開けられた

「兄上・・・」

佐登の兄にして巴弥都(はやと)の当主となった玄之丞(げんのじょう)が仁王立ちをしていた
目が吊り上がり こめかみに青筋がたっている

「ゆるさん・・・ゆるさんぞ よその男の子を孕むなどゆるさん」

「お父上の決められた 縁なのですよ」
母親の南美(なみ)が 厳しい声を上げると 玄之丞は布団ごと蹴り飛ばした

「儂が認めた話では ないわ
腐れじじぃの勝手に決めた話よ

そんな腹の子は こうしてくれるっ」

玄之丞は佐登の腹を激しく繰り返し蹴りつけた

「死ぬぃ 腹の餓鬼め 死ね 死んでしまえ」

「佐登まで死んでしまいます」

止めようと母親が縋るを殴り飛ばす

「誰が嫁にやると言うたか

もう向こうにはやらん
佐登は儂のものじゃ
腹が空になり寂しければ 儂が種をつけてやるわ」

玄之丞は跡取りで癇性の難はあったが 当主となったことで 常軌を逸していた

佐登は口からも腰の下から血を流している

それでもまだ玄之丞は蹴るのだった

「兄上 御免」
駆け付けた弟の真之介が峰打ちで 玄之丞を倒す

病気ということで 元服間もない真之介が当主となり 玄之丞は座敷牢に押し込められる

佐登は腹の子を喪い自身も長く床から起き上がれず 離縁を望み やがては出家した
母親の南美も間もなく病死している

産まれるはずだった命がある

産まれる前に無惨な暴力でーその魂は黒く染まりかけたが 母親の生涯かけた弔いに白い輝きを得る

座敷牢に押し込められた玄之丞は狂気の中で 真之介を呪った 呪い続けた

佐登の嫁ぎ先までも
玄之丞の魂は 黒い流れに沈む

取り込まれていく

美しく育つ妹を可愛く思う気持ちは おぞましいものに変化した

そう そんなこともあったのだ


重宝してるアサヒ軽金属の鍋シリーズ

2012-09-06 15:54:37 | 子供のこと身辺雑記

重宝してるアサヒ軽金属の鍋シリーズ
重宝してるアサヒ軽金属の鍋シリーズ
これはワイドオーブン鍋で煮込みカツ丼を
焦げつきにくいので 炒めてから煮込んだり 焼いたりする料理にも とても便利に使っています

アサヒ軽金属では最初 活力鍋を亡き母が買ってくれました

丁度 娘が中学生で ちょっと料理を覚え始めた頃 ディナーパンと2つ

使い勝手が良かったので ローストパン大小に活力鍋用の蒸しカゴやガラス蓋 活力鍋の中で使うスチームオーブン
それらを買うと千円で買える天使のなべとフライパン

娘は 天使のフライパンとなべを愛用

私は学生時代から料理学校で使った無水鍋が欲しかったのですが ワイドオーブン鍋が機能的に無水鍋と遜色ありません

形も大きさも

パソコンの前で無水鍋の商品サイトと アサヒ軽金属のワイドオーブン鍋
迷って迷ってー数年前に買いました

タジン鍋なども迷ったけれど ワイドオーブン鍋があれば充分って今では思えます

アサヒ軽金属では 更に使い勝手がよくなったゼロ活力鍋が出ていますが

壊れるまでは活力鍋 働いてもらいます(笑)

定期的に送ってくるアサヒ軽金属の商品紹介のパンフレット眺めて
確かにあったら便利なんだけど 置く場所がねぇとため息です

鍋でなくて シリコン製品

畳んで省スペースで収納できて そのまま電子レンジで調理できて密閉保存容器としても使える

買ってしまえば それまで(笑)だけど 迷ってるこの思案する時間が一番楽しかったりします


雑誌レシピを参考に

2012-09-06 15:20:51 | 子供のこと身辺雑記

雑誌レシピを参考に
雑誌レシピを参考に
雑誌レシピを参考に
オレンジページ「忙しいから もっともっとフライパン活用レシピ!」P30の「フライパンビビンバ」から

斜め薄切りした人参・もやし・長さ4センチ程度に切った小松菜かほうれん草を耐熱容器に入れ蓋して電子レンジで加熱8分

その間に食べやすく切った牛肉か豚肉に焼き肉のタレをかけ もみ込み味付けてフライパンで炒めー取り上げておきます

加熱終わった野菜に すりおろしたニンニク・ごま油・ 塩・白すり胡麻で味付けし和えます

フライパンにごま油をひき ご飯を広げて入れ
野菜と肉をのせます
蓋をして中火にかけ 蒸し焼きにし ごま油回しかけ強火にし ちょっと焼いてから 火を止めます

アサヒ軽金属のディナーパンは からりと焼き上がり焦げつかず便利です


「繭の見る夢」ー紀梨子ー5ー

2012-09-06 12:11:42 | 自作の小説

「とは 言うもののーさて どっから話したものだろう
はっきり僕も理解していない・・・話なのにね」
数冊の大学ノートや 何かの紙が入ったファイルを前に 竹丘さんは ちょっと考える
「僕はー父親が誰か知らずに育った
母と結婚していた男性はー母が僕を妊娠する前に死んでいる
その男性の死後 母は正気を失った

母の妹の藤見玲(あきら)が 母と暮らし世話もしていた
僕が産まれてからは 手が回らないから 住み込みの家政婦が雇われた

加佐矢優希さんー彼女は新聞の広告を見て面接を受けに来たのだとか

偶然と言えば偶然 必然と言えば必然

何故なら優希さんは 玲と両親を同じくする姉妹の末っ子だった

僕の母の沙世子・玲・優希姉妹の両親はー ある襲撃に遭い・・・その子供たちは ある程度の事情を知る知人たちの養子となり育てられた

沙世子と玲が藤見夫婦に
優希は加佐矢晶(かさや あき)さんに

藤見夫婦は事故死 沙世子と玲に実の両親の事情を教える前に死んだ

晶さんは 優希に実の両親のこと
離れて育つ姉たちのことも教えていた

晶さんは優希の実の母マツエの友人だったんだ

その晶さんも火事で死んだ

優希さんは一人ぼっちになり 火事で住む場所も無くなったところへ 藤見玲さんが出した新聞の求人広告を見たんだ

晶さんは保育園の園長で優希さんの経験は充分なものだった

この偶然には ある人物の働きかけがあったんだけどね

藤見玲と加佐矢優希 この二人に十才まで僕は育てられた

楽しかった

けれど突然 二人はいなくなり
祖父の巴弥都真太郎(はやと しんたろう)が迎えに来た

その時 一度きり まだ火事に遭う前のここへ来た

それから僕は全寮制の学校へ入れられーずっとそこで暮らした

生きた祖父に会ったのは 十才の時 一度だけだ

大学を卒業する頃 弁護士が来て 祖父が死んで四十九日までも済んでいることを教えられた

祖父の遺言に僕は少し悩んだんだけど せめて初盆は この僕が迎えてあげたかった

そしてどんな厄介ごとがあるにせよ

僕は知りたかった
何故 玲さんと優希さんがいなくなってしまったのか

祖父の「二人はできることをした」

それは一体どういうことなのか

ああ 言い忘れたけど 母は僕を産んで死んだ」

竹丘さんは 今までの話が私に理解できたか確認するように 少し黙った

ーずっと全寮制の学校 正月さえ 春休みも夏休みも冬休みもー

真太郎という人は 何故 孫を自分から遠ざけたのだろう

一体 どんな事情があって

この話は消えた兄に結びつくのだろうか

「僕は ただあらゆることを納得するしかなかった

そういうものなのだと
だから分からないことは 考えるのをやめた
学問の勉強の問題なら 考えれば解ける
答えが見つかる

映画は必ず終わる
決着がつく

本も読了できる

スポーツは練習さえすれば ある程度まではできるようになる
オリンピック選手は無理としても」
ここでちょっと竹丘さんは笑った

私は話を聞きながら泣きそうだった

他人の中へ放り込まれた十才の子供

私と兄には沙月さんがいてくれた

家族がいた 家庭があった

誕生日のお祝い 家族旅行

お月見 お正月 クリスマス

義理チョコ贈り合うバレンタイン

なのに何故笑えるのだろう この人は

知らぬ間に ぼろぼろ泣いていたらしい

竹丘さんは話を止めた

「ほらほら いい子だから泣かない」

ぽんぽんと軽く頭を撫でるように叩き ティッシュペーパーの箱を渡してくれた

「僕には本家だの分家だのピンと来ないけど 遠縁でも親戚の存在は嬉しいんです

沙月さんから電話を貰った時 非常事態ながら ちょっと喜んで張り切ってしまった

紀梨子さん可愛いし」
ここで軽くふざけたウインク

心臓に良くない人だ どれだけ自分の外見を理解しているのだか

静まれ心臓 ときめくんじゃない

赤くなるな私

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー関連作です↓読んでいただければ嬉しいです

「愛しいあなた」

http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/d/20120818

「堕恋」-もしくは繭の見る夢・序ー

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「禁忌の水」

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「繭の見る夢」-1-

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「繭の見る夢」-1´ー

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「繭の見る夢」-2-

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「繭の見る夢「-2´ー

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「繭の見る夢」-真ー1-

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「繭の見る夢」-紀梨子ー1-

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「繭の見る夢」-紀梨子ー2-

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「繭の見る夢」-紀梨子ー3-

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「繭の見る夢」-紀梨子ー4-

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