夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「捜索者」(1956年 アメリカ映画)

2012-11-14 20:50:40 | 映画

1868年 テキサス 南北戦争集結から3年
イーサン・エドワーズ(ジョン・ウェイン)は兄弟の家に来る
今回観た映画では兄の家になっていますが 私は何故かずっと弟の家と間違えて記憶していました

エドワーズ一家は イーサンが 以前に連れてきたチェロキーの血が8分の1流れているマーティン(ジェフリー・ハンター)も息子として育てています

姉娘ルーシー まだ少年のベン(ロバーロ・ライデン) おしゃまなデビー(ラナ・ウッド) 幸せな一家

翌日 牧師でもあるサミュエル・ジョンストン・クレイトン大尉(ウォード・ボンド)がレンジャー率いて現れる
彼らは先住民(コマンチ)の動きを警戒し 追跡するため アーロン・エドワーズ(ウォルター・コイ)を誘いに来たのだ

代わりにイーサンが参加することになる

イーサン達が出発したあと アーロンの妻マーサ(ドロシー・ジョーダン)は不安そうな表情だ

アーロンもまた 何か雰囲気がおかしいと感じている
夕食までに鳥か何かを撃ってくると 扉から外へ出る ベンが見張っているーと言うが

アーロンは何かを感じ家の中に戻り ルーシは悲鳴上げ 母親に口を押さえられる

デビーは人形持ち隠されたが ー

彼女は外へ そこに先住民の男 仲間へ合図の声を上げる

レンジャー達は 殺された牛は彼らを誘い出す罠と気付き 急ぎ戻るがー

遅かった
イーサンは兄嫁の無惨な死体を破壊された家の中で見る

頭の皮が剥がれていた

家から出て来たイーサンかはマーティンに中の様子は見るなと厳しく言う

深い憎悪 復讐の念

外でイーサンはデビーの人形を拾います

イーサンとマーティンにクレイトンらはエドワーズ一家の葬儀も早々に追跡を開始します

途中 発見した先住民の死体はきっちりと隠されておらず それは彼らが追跡を恐れていない意味なのだと
イーサンは死体の両目を撃ちます
「目を失った死人は天国へ行けずさまよう」とイーサン
先住民に連れ去られた二人の姪を連れ戻す

先住民の手がかり見つけ居場所を突き止めるもイーサンの考えに対抗意識を燃やしたか クレイトンの作戦失敗で 絶好の機会を逃します

ルーシーに愛情持つブラッド・ジョーゲンセン(ハリー・ケリー・ジュニア)は 彼女死体を発見 逆上し先住民のキャンプに突入し 殺されます

イーサンは諦めません
交易商のシェレム・ファターマン(ピーター・ママコス)は夜営中のイーサンとマーティンを襲ってきて逆に撃ち殺されます

この為二人には 襲われたにも関わらず殺人容疑がかかるのですが

イーサンとマーティンは行商人になりすまし先住民の交易所を回ります
デビーの手がかりを求めて

ところがマーティンは毛布を買ったつもりなのに コマンチの女性ルック(ビューラ・アチュレッタ)がついてきます
イーサンが愉快そうに言うにはー「お前は妻を買ったんだ」

エドワーズ家の隣人ジョーゲンセン家の娘ローリー(ヴェラ・マイルズ)は マーティンからの手紙にカンカンです

僕に妻 コマンチ
逆上し手紙の続きを読まずに燃やそうとさえしました
マーティンとローリーは愛し合っているのですが デビーの行方を探すマーティンの旅は いつ終わるか分かりません

ローリーを思うチャーリーは側にいるし

男前は断然マーティンの方が上なのですが

マーティン演じるジェフリー・ハンターは四十代で病死しています
青い目が印象的な俳優さんです

ちょっと愉快で可愛いところがあるルックは 妻らしくマーティンに添い寝しようとしたりするのですが スカーの名前を聞き 彼らが追えるよう目印残し 姿を消します

騎兵隊の襲撃が先住民のキャンプにあり ルックは殺されていました

イーサンとマーティンは雪で目印を見失ったのです
騎兵隊の砦に デビーの姿はありませんでした
先住民にさらわれていた白人の娘達は 保護されていたのですが まるで先住民のようになってしまっていました

イーサンとマーティンは酒場でモーズ・ハーパー(ハンク・ウォーデン) から フェルナンデス・フィギュロアに紹介され その仲介でスカーに会います

その場にデビーがいました

スカーと川で会う運びとなりますが フィギュロアはイーサンとマーティンの思惑を見抜き スカーも気付いているーと 仲介料を返し逃げて行きます「スカーはあんたの魂胆を お見通しだ 血の報酬はいらん」

マーティン「スカーを殺す気か」
イーサン「五年の因縁だぞ 当たり前だ
お前は手を引く気か」

そこへデビーが走ってきます 逃げてと伝えるために
マーティン「覚えていないのか? 兄のマーティンだ 思い出せ
馬に乗せたり お話を聞かせてやったろう
覚えてないのか」
デビー「一時も忘れたことはない 祈ってた きっと
でも来なかった」

マーティン「でも 来ただろう」

デビー「もう帰って お願い」
自分は今では先住民だと言うデビーに 銃向けるイーサン
マーティン デビーを庇う

と先住民の毒の矢がイーサンに刺さる

反撃しつつイーサンとマーティン逃げる

毒が回ったイーサンは マーティンに遺書を渡す

それには自分には一人の血縁もいないから全てマーティンに譲るーとあった

デビーがいるじゃないかと怒るマーティン

二人が久しぶりにジョーゲンセン家を訪ねると ひどく賑やかだ

「入っちゃいかん 警備隊がいる ファターマン殺しの容疑ー」
二人が家へ入るのを止めようとするも
白いウェディングドレス姿のローリーが現れる

マーティンを待ち疲れたローリーは チャーリーと結婚することにしたのだ
チャーリーなら少なくともずっと側にいてくれる

ローリーとマーティンは別の場所で話すこととなり イーサンは構わず家の中に入る
今日は結婚式の為に牧師として来ているクレイトンは「結婚式に来た 終わるまでは牧師だ
話はあとで」珍しく道理が分かった答えだ

マーティン「確かに筆不精だけど」
ローリー「愛している 待ってろ ぐらい」
マーティン「ここは黙って身を引いた方がいいね」
ローリー「そしたら 私は死ぬ」
マーティンに抱きつくローリー
なんとなくまとまりそうになったところへ 現れたのが忘れられた花婿チャーリー「婚約者から離れてくれ」

ここで初めて新郎が誰か知ったマーティン「まさか彼と結婚を」
チャーリー「先住民の妻がいたことも知ってるぞ 何人女房にした」
チャーリーに殴られてマーティン「(ローリーに)どいてろ」
チャーリー「丸腰だ」とアピール
マーティン「銃は使わん」
二人の男 家の外に出る
騒ぎに出て来た結婚式の為に集まった人達
クレイトン「マコーリー軍曹 これは任務か」
チャーリー「いえ 個人的なものです」

ローリーがイーサンに「止めて」と頼むと イーサン「君のせいだ」

殴り合い かみつき暴れる男達に クレイトン「握手して水に流せ 顔を洗って式のやり直しだ」
チャーリー「式は 止めだ このままでは シコリが残る」

クレイトン「結構な披露宴だったー」

そこに若い軍人が入ってくる
北軍なのが気に要らないクレイトン 若い軍人の言動に何かとケチをつける
ー第15連隊のグリーンヒル大佐がコマンチ討伐戦へ協力要請
伝令に来た若い軍人はグリーンヒル大佐の息子(パット・ウェイン)

相手がスカーと知り イーサンやクレイトンの表情が変わる

スカーの捕虜になっていたのは モーズだった
気がおかしいふりをしていたのだと言い イーサンには答えず 「マーティンになら教える 七本指だ」

マラパイ川の支流の峡谷

ローリー「今度こそ 行かないで デビーは手遅れよ
コマンチに売り買いされた余り者よ
イーサンが見つけたら殺すわ」
マーティン「馬鹿な」 英語だと「クレイジー」って言ってました

敵を発見し 一人当たり一ダース 充分だーとレンジャー達は勇ましい
今から突っ込もうとするに マーティンは止める
「待ってくれ 奴ら妹を殺す」
クレイトン「冷たいようだが妹は諦めろ」
イーサンはコマンチのキャンプで見た白人の頭の皮の中に 兄嫁のものがあったことを教えます

クレイトン「許可する」
イーサン「好きにしろ」
マーティンは崖の上から降りていく

テントの中でデビーを見つけるマーティン
背後に迫るスカー

マーティン スカーを殺します

その銃声にクレイトン「者ども 突っ込め」

マーティンが崖を降りキャンプへ向かう間に また若いグリーンヒルが来ます
父親の大佐は分かっているから ここにいてもいいでしょうと言い
クレイトン「わしは先住民よりおそろしくて厳しいぞ」

若いグリーンヒルを演じるパット・ウェインはジョン・ウェインの息子さん
緊張和らげる笑いを受け持っているようです

先住民のキャンプで テントの中にスカーの死体を発見するイーサン スカーの頭の皮をはぎます

イーサンは逃げるデビーを馬で追おうとし マーティン止めようとしますが
幼いデビーにしたように 両腕で高くデビーを抱き上げてから お姫様だっこをし「家に帰ろう」とイーサン

この「家に帰ろう」のジョン・ウェインの声が深く優しく温かくー本当に素晴らしい響きを持っています
戻ってきてイーサンはクレイトンに言います「よくやってくれた」

よりにもよって臀部を怪我したらしいクレイトン 治療中でした

ジョーゲンセン家では 好きな揺り椅子に座りモーズもポーチにいます

帰ってきた一行

ローリー マーティンを迎えに走って行きます
ジョーゲンセン夫人も泣いています
ジョーゲンセン夫妻はデビーを抱きしめ室内へ誘います

イーサンは入ることなく 外にいます
イーサンが入らないまま 家の扉が閉まります

アラン・ルメイ原作
監督のジョン・フォードは「家族の一員になることが出来なかった一匹狼の悲劇」と言ったとか

映画のラスト近く入る歌は

ー男は心と魂を捜し求め
捜し求めて 旅に出る いつかは見つける心の安らぎ

だが それはどこに
旅に出ろ

馬で旅立てー

ジョン・ウェイン いいです
残酷とか言われたそうですが 身内を殺されて へらへら笑っていられたら 逆にそちらの方が変です

イーサンの反応は ごくごくマトモだと思います


「十七人の忍者」(1963年 日本映画)

2012-11-14 00:45:15 | 映画

「十七人の忍者」(1963年 日本映画)
「十七人の忍者」(1963年 日本映画)
「十七人の忍者」(1963年 日本映画)
「十七人の忍者」(1963年 日本映画)
長谷川安人監督

忠長につく西国外様大名11家の所謂むほん連判状
その連判状を巡り 家光側の阿部豊後守(薄田研二)は証拠を 駿府城より奪い取ることを伊賀三ノ組率いる甚伍左(大友柳太郎)に命じる

秀忠の死は迫っていた

身分が低く根来忍者として苦労してきた才賀孫九郎(近衛十四郎)は 伊賀忍者に対し激しく対抗意識を燃やす野心家だった

駿府の城で 侍達から侮られ 下に見られてきた才賀は この機会に我が力示さんと 甚伍左の配下を血祭りにあげていく

甚伍左は寺男の老爺に変装し 柘植半四郎(里見浩太郎)など配下から報告を聞く
「あたら惜しい男をー」その命を惜しみつつ何かに耐えるようなー殉教者のような表情だ

甚伍左には梢(三島ゆり子)という妹があった
半四郎と梢は恋仲だ 互いに想い合うている

甚伍左も気付いていた
非情な忍者だが・・・・・

若いゆえに経験は足りぬが 若くとも腕がたち思慮深い半四郎に期待を寄せているのか

妹と恋仲であることを 咎めだてはしない

阿部豊後守は小田原に潜伏しており 梢に決心を打ち明ける
甚伍左の配下の者達が次から次に命を落としていることに沈痛な表情だ

ー無理に無理を重ねさせてきたーその甚伍左に死ねと言うのだ
甚伍左に伝えてくれ
連判状が手に入らなければ
阿部豊後は 忠長様と差し違えても死ぬ覚悟 ー

秀忠が死に 期限はあと2日

その2日の間に

連判状は鬼門櫓に隠されている

甚伍左に報告に行く半四郎
甚伍左は見張られていることに気付き 殆ど口を動かさない話し方をしている

ー半四郎 お前でなくてはできぬ
相手の油断を誘わねば生きては戻れぬ
わしに構わず早く行けー

甚伍左は捕らえられる自分の代わりに半四郎に頭(かしら)をしろー
そう言った

才賀は甚伍左を捕らえたことで勝ち誇る

甚伍左が逃げられないように 両の足を折った

連判状を隠した鬼門櫓へ甚伍左を閉じ込める

伊賀忍法で老爺に化けていようと言い
甚伍左は変装を解いた

「どうやら根来忍法に勝ちを譲ったようだな
連判状は そこにある 頭欲しさに右往左往する

奴らは16人 拙者はひとり
その結果が これだ

おぬしの負けを骨の髄まで 味合わせてみせるぞ」と才賀

だが駿府の武士達の目は冷たい
甚伍左を捕らえたことを褒める言葉は無い 「時期は任すが 早いうちに その者も斬れ 」

そして同輩の武士と才賀のことを嘲笑っている「使い捨てにする方策ー」

才賀の立場は厳しい

半四郎は仲間に甚伍左が捕らえられたことを話す

彼らは それぞれ
ー分からん 分からん 分からんとしか言いようがない

半四郎に任せたか

生き残った伊賀者の中で 半四郎は一番年下なのだ

半四郎「お役目の為に むざむざ八人までも死なせたお頭が 何か考えあってのことと思うのだ

分からんが お頭の指図に従うのが 伊賀者の務めではないか」
そこへ梢が現れる「兄は何処に」
「お頭は捕らえられ城内にひかれました」
この答えに 梢は気を失い倒れる

その頃 駿府の城には 阿部豊後が 駿府に入ったと知らせが入る

一方 伊賀者達は倒れた梢を気遣う
熱があり体調悪い中 無理をした旅の疲れと 兄が捕らえられた衝撃が重なったのだろうと

半四郎は覚悟を決めていた
「明日とは言わず 今宵のうちに 駿府城へ忍び入る 俺一人でも だ」

若い半四郎を 庇い死なせない
そんな意識が他の仲間には芽生えていた

お頭が後を託した男を むざむざ死なせてはならない

彼らの気持ちは固まった

起きてきた梢もついて行こうとするが
男達は言う
「生きて帰れる見込みはない
梢どのだけは 生きて明日の陽光(ひ)を浴びて頂く」

駿府城に忍び込める隙は無かった

わざと見張りを手薄にし 銃構え待つ誘いの死の罠や

このままでは埒が明かない

ー俺の恋女房と四人の子供の事を考えるな
ー甚伍左なら俺を使うところだ
ー騒ぎを起こすのは任せろ

二人は出て行く
命を捨てに
自分たちの命を踏み台に お役目が果たせるように

二人は厳しい咎めだてにあい 多勢に無勢 才賀の槍にも命を奪われる

駿府城に 才賀に隙は無かった

楽に忍び込める場所はない
半四郎は逆手に取ることにした
二人が死んだ 場所の下の濠を進む

ーここしかないー 決心し石垣に取り付き登って行く
音立てないように
だが老年の治平衛(花沢徳衛)には登れない
そこへ一行を追ってきた梢
半四郎は降りて行き頼む
「梢どのを送ってさがれ
老中様に伝えるのだ 誓ってお役目は果たすとーな」

治平衛は梢の肩に掴まり水の中を進むが体力が もうない
沈みそうになる
「隠密勤めて30年
今になって 己の衰えを知りました」
梢に自分を置いていってくれるように言う
梢はなんとか連れて行こうとするが
治平衛は撃たれてしまう

夜明けが近づく中 一人濠を行く梢

才賀は焦っていたーこのまま むざむざ引き下がる筈が無い ー
「いぬい門を見てくる」 と歩き始める
ー伊賀者め 何を企んでいる 頭を取られ 手も足も出せぬか
そんなことはない
なぜ丑寅の方へ現れぬのだー

そう考え疑心暗鬼となる才賀の眼に入った光景はー死体の山だった
駿府城の警護の武士に混じり 伊賀者も二人死んでいる

ここで!品川隆二さん演じる小六も 目を見開いて死んでしまっていました
残念です(と私情・笑)

これだけ斬り殺すなんて どれほど強かったのでしょうか

才賀の叫び「たわけか!何たることだ このザマは」

生き残った文蔵(東千代之介)と半四郎は俵の奥に隠れており 捜す才賀の槍が半四郎の脚に突き刺さるも 声立てず半四郎耐えます
半四郎を気遣う文蔵は兄のような表情です

濠から治平衛の死体が 閉じ込められている甚伍左の前へ運ばれてきます
才賀「殊勝な事に石を抱いて沈んでいたそうだ
遠慮は要らん 音(ね)を上げろ
紀州根来の忍法はな 俺一人でも勝てるのだ
たかの知れた伊賀忍法の末路
後の二人も ここへ並べてやる 」
感情も露わに喚き叫び勝ち誇りつつ声の響きに焦りを 悲鳴のようなものを感じさせる才賀

優位な立場ながら まるで焦燥の炎に灼かれているようだ

対する甚伍左は脚を折られ 身動きもままならず
しかし表情は静かだ 決して諦めてはいない
向ける視線 目は死んでいない

甚伍左は言う「後の二人は手強いぞ
才賀 何を そう苛立つのだ
後に残る者ほど強い
勝つか負けるか 勝負は これからだ」

次に梢が捕まった
やはり逃げ切れなかったのだ
美人なので城の侍達が騒ぐ

「探せ 隠密はあと一人だ
今一度改めろ」

才賀は甚伍左に言う「また一人 伊賀者を捕まえたぞ
女を使い走りに使っていたとはな

後の一人は何処だ
何処にいるんだ 」

才賀に武士が連絡に来る
「御用人の命令で探索の者達が引き揚げて行きましたぞ」

才賀は訴える
「今 侍達を引き揚げさせては 水の泡だ」
しかし対する男は冷たい 「それにきゃつらは本丸へ行っているかもしれん

良いか 数多い家中の不平不満を解消せねばならん
新参者 新規お召し抱えの身を心得よ

手練れの侍15名を回しておいた
隠密一人には十分なはず」

どれだけの手柄を立てようと 才賀は認めてもらえない

城の人間は彼を 彼の態度・言動を毛嫌いしていた

才賀ーいる 必ず この中の何処かに それをどうする どう捕らえる
15~6の侍で どう防ぐー

隠れている文蔵「水があったらな」

半四郎は思いの他 激しい調子で言う
「水のことは言うな!」

文蔵「すまんな さっきのこと 詫びる
俺はただ 為す事もなく動かん おぬしが憎かったのだ
おぬしは為すことなく動かんのでは無かった
お前は一人で駿府城と戦っておったのだ
思案も才覚もお前の方が上だ
負けたぞ」

文蔵は体力のあるうちにと 打って出ようとしたが 半四郎は止めた

命惜しさに怖じ気づいたかーと言う文蔵に かしらとしての命令だーと半四郎は抑えた

梢が捕まった時も 自分を抑えた

待つは相手の油断
ただ一度のチャンスに討って出る

焦りの色が隠せない才賀は 梢を責める
「手始めは南蛮渡来の馬の鞭だ
言え! 言わんな ようし 言わずに通しー」
悲鳴上げつつ耐える梢

見張りの侍は見間違えて犬を撃つ

才賀「たわけめ!
鞭などでは手緩かったようだな
爪をはぎー」 言葉でも梢を脅す才賀
梢の答えは「殺せ!」

駿府城側は 伊賀者があと一人だと勘違いをしている
文蔵は自分が行くと言う
自分が死ねば 敵側は伊賀者を全員やっつけたと油断する
文蔵は半四郎に言うのだ
「それぞれに役割と言う物がある
城方は一人と思っている
おぬし 騒ぎに乗じて鬼門櫓へ走れ 」

文蔵「じゃあ」
彼は見事に戦って死んだ

私は東映の主役張る俳優さんの中では 子供の頃 少し東千代之介さんが苦手だったのですが この映画の東千代之介さんは本当にいいです
役柄のせいも勿論あるのでしょうが この役者さんは こんなにいい男であったのかー些か驚いて見直しております

甚伍左「文蔵か 惜しい男をー」

才賀「よく戦った
伊賀三ノ組の最後の一人
俺が どうた戦ったか分かるまい
田舎忍者と その辱めの中で それから味方の味方の駿河の侍にまで馬鹿にされ ー」

言い募る才賀に甚伍左は言う「愚かなことを」

才賀「俺が愚かだと 負けたおぬしが 俺をか

忍者は勝てば良いのだ
俺は勝った 」

その隙に鬼門櫓に入り込んだ半四郎は 梢を助けに行く

根来忍者の地位を高め云々と話を進め夢語る才賀を 甚伍左は遮る

「気の毒だが それは成るまい
わしの勝ちだ

思慮 分別も杜撰となり 家中の者はおぬしに反感を抱くようになった

反感くにくの策だ

勝負は まだ決まっておらん
最後の一人が息絶えるまでは
気の毒だが才賀 おぬしの置かれた立場は所詮ー
伊賀人別帳には女の名前は載せん
伊賀梢 わしの妹だ

おぬしは才に長け腕も抜群だ

わしは おぬしを 惜しく思っている」

顔色を変えた才賀「最後の一人は何処にいる」

甚伍左「それを わしに訊くのか」

才賀「であえ であえ 」叫びながら櫓の中を調べれば 皆 殺されている

半四郎と梢 力を合わせて才賀と戦う
才賀「よし 根来忍者としての名に賭けて渡さん
腕で取れ!」

彼らが戦う間に甚伍左 牢を破り 這って連判状を取りに行く

半四郎があわやと言う時 梢が才賀に手裏剣投げ 半四郎は才賀の胴に飛び込む

二人は揃って甚伍左の許へ駆けつける
甚伍左は連判状を手に 梢と半四郎に言う「これを頼む
それから梢のこともな
俺に構っていて お役目が勤まると思うのか
早く行け

半四郎 お前 連判状を渡したら 二度と江戸へ帰って来るでは無いぞ
伊賀へ行け

忍者の家を持てぬ悲しみは わし一人で終わりにしたい
お前達 二人には何より幸せを掴んで貰いたいのだ

わかるか わかるか 半四郎

行け 行け 行け 行かんか!」

梢「兄上~」

半四郎 梢を促すように連れて行く

まだ生きていた才賀よろよろと現れ 甚伍左に槍投げる

甚伍左 才賀にとどめ

立てないゆえに甚伍左は這って進む
鬼門櫓に入って来ようとした侍を殺し 建物の閂をかける

甚伍左は そこで力尽きた

閉めた扉にもたれ死ぬ

半四郎と梢は逃げる

そうして阿部豊後守は駿府城へ

阿部「出迎えの 何と申したな」

「成田助八と申します」

阿部の言葉から 成田は連判状が奪われたことを悟る

その後の始末として忠長が上州に移され 果てたこと

半四郎と梢は伊賀の里辺に埋もれて暮らし 今に残るものは何もない

里見浩太郎さんの忍者姿 颯爽 よく似合ってました

三代将軍家光と忠長の兄弟は時代小説では色々な作品が書かれています
読むのも観るのも好きです