秋の花というと、コスモスが真っ先に挙げられる。
コスモスは秋の始まりの頃からの花だが、秋が深まって来たときの花もある。
それは、菊。
あちらこちらで菊祭りや菊人形展が行われている。
新潟県だと弥彦神社の菊祭りが有名だ。
菊人形展と言えば、隣県福島県二本松市の菊人形展がよく知られている。
菊祭りにしても菊人形展にしても、菊の花を見ることが目的だ。
でも、菊の花は見るだけにあらず。
この地方では、食べるためにある菊が畑によく植えられている。
子どもの頃に住んでいた家のそばにあった畑にもあった。
黄色い花だったが、この時期、よく食卓に上がった。
当時のわが家での食べ方としては、花びらだけ取ってゆでておひたしというのが一番多かった。
また、酢の物にして食べる場合もあった。
一番好きだったのは、隣家に住んでいた伯母が作った、菊の花がたくさん入った味噌漬けだった。
だが、この味噌漬けの作り方を誰も引き継がなかったために、今は幻の味になってしまった。
残念だなあ。
今住んでいるところには、小菊しかなかったのだが、今年は隣の方から、育ち始めた頃に2種類の菊の苗を何本もいただいた。
昔子どもの頃によく食べた黄色い花の菊と、花も美しいピンクの菊である。
食用菊を育てるのは初めてだったが、手入れの仕方もよく知らないまま、大きくなるのにまかせていた。
それでも先月からピンクの花の方が咲き始め、2,3度摘んで、夕食時にいただいた。
(⇧このまま食べるのではなく、花びらだけをむしったものをゆでるのです…食べない地方の人たち向けの但し書き)
今月になって、黄色い花も咲くようになった。
2つが混じると、食卓もカラフルになる。
わが家では、これらの菊を、ゆでたあと、
おひたしとして、しょう油やポン酢をかけて食べる。
酢の物にして、ときにミョウガと一緒に食べる。
サラダにかけてドレッシングをかけて食べる。
…などの食べ方でいただいている。
(調理例の写真があるといいけど、撮ってないので、ありません。)
最近は、いろいろな花が「エディブルフラワー」として皿に乗っているときもあるけれど、私にとって、「エディブルフラワー」といえば、やっぱり昔から食用菊だな、やっぱり。
花の美しさを愛で、そして美味しさを愛でる。
菊をいただく習慣のある土地で育ってよかった、と思うなあ。