つひ二日前に大工さんが空き地に入ったと思ったら、まう二階まで組み上げてゐる。建てるのが早いぶん、ガタつくのも早いか?なんであれ、職人の手仕事の音は耳に心地良い。響きが景気良いからだらう。我が城からそんな職頭の技を眺めながら、自分は生まれた時からいはゆる“土の上”に住んだことが無いと気が付く。そのせいか、さういふ所に住みたい願望と云ふか、感覺がない。數へるのも恐ろしい本と、手猿樂の面と . . . 本文を読む
東京都目黒区駒場の日本近代文学館で開催中の、「日本をゆさぶった翻訳─明治から現代まで」展を観る。展示物の解説文が細ごまとして堅苦しく、文筆家気取りの無學者である私には内容がサッパリ入って来なかったが──独善的な小ムズカシイ言葉を羅列することがブンガクなのか?──、翻訳とは異國の字句をただ邦語に置き換へるだけの作業ではない、と云ふことが理解出来ればまずは良しか。私も翻訳小説はいくつか讀 . . . 本文を読む