東京都目黒区駒場の日本近代文学館で開催中の、「日本をゆさぶった翻訳─明治から現代まで」展を観る。
展示物の解説文が細ごまとして堅苦しく、文筆家気取りの無學者である私には内容がサッパリ入って来なかったが──独善的な小ムズカシイ言葉を羅列することがブンガクなのか?──、翻訳とは異國の字句をただ邦語に置き換へるだけの作業ではない、と云ふことが理解出来ればまずは良しか。
私も翻訳小説はいくつか讀んでゐるが、そこに書かれてゐる世界は作者のものと云ふより、間に訳者の意思が挟まったものであることに注意するべきだと、今さらながら気付く。
ここは入場券代はりに繪葉書を一枚くれる。
そのあたりの感覺、けっこう好きだ。
帰りには隣接する旧前田候爵邸で、
風に散る静かな秋を見る。