迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

彼方なる華。

2021-10-27 21:12:00 | 浮世見聞記
學生時代に購入したと思はれる長唄のカセットテープが出てきたので、久しぶりに聴いてみる。一曲目に収録されてゐる「京鹿子娘道成寺」は、この當時に好きだった芳村伊四郎師がタテを唄ってゐて、そのために歌舞伎座の晴海通りを挟んだ向かいにあったレコード店で購入したのではなかったか。十一代目芳村伊四郎師は七代目芳村伊十郎の息で、人間國寶だった父とはまた異なる太くて通る唄聲が好きだったが、いつしか木挽町の舞台とは . . . 本文を読む
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