迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

橋渡しの聲。

2021-10-03 10:08:00 | 浮世見聞記
ラジオ放送で、觀世流の「松虫」を聴く。親しい友が松虫の音をよく聴きたいと道端の草むらに入ったあと亡骸となって見つかり、以来友人だった男は靈となったのちも酒と松虫に親しみながら友を慕ひ續ける──今は靈となった男の慕ふ相手が同性であるところがこの曲の特徴だが、現在で云ふところの“同性愛”は室町時代にはごく普通のものであり──廢曲の「東尋坊」もさうした愛の形を扱ってゐると聞く──、主題はもちろん、廣い意 . . . 本文を読む
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