都内の天神様の鳥居先で、梅が早くも紅い花を付けてゐた。コンビニが正月早々から恵方巻の予約販賣を始めることについては冷笑でしかないが、植物が季節を先取りし過ぎることについては苦笑、と云ふより戸惑ひを覺える。予報では、今週半ばあたりにポカポカ陽氣の日があるとやら。卯年だからと、氣温まで跳ね上がることはあるまい。すでに令和五年も、なにかを期待することは“自粛”するべきか……? . . . 本文を読む
今年最初の謠曲ラジオ放送は、寶生流「屋島」。平家物語を彩る源平武勇譚をちりばめながら、源義經の勝ち戰ぶりを讃へた”勝修羅三番”のひとつ。それ以外の修羅能は敗者に焦點を當ててゐるのも、日本人特有の「判官贔屓」ゆゑ。しかしこの曲のシテである判官殿は、あくまで勝者。せめて一曲くらゐは花を持たせてやらねば、散らせる花もないことになる。「屋島」と云ふと、いつであったか大山阿夫利神社 . . . 本文を読む