
神無月と臺風の十六號が同時にやって来る。
臺風の本体は幸ひ海上を通ったやうで、東京都内は昼前から昼過ぎにかけて強雨に見舞はれた程度で済み、夕方には強い風のみとなって日没後に雲が去り、

地元では星が覗く。
これから毎度か“週末臺風”に出食はす季節になるのかと思ふと、神無月の初日から疲れた氣分になってしまふ。
初日と云へば、今日から酒類を出す飲食店が制限付きながら營業を再開す。

隣町の飲食店街ではやうやく灯が入り、純粋にまずは良かったと思ふ。
さりながら、ほかの居酒屋では店先に立ってゐる呼び込みの女のコが一人ポツンと寒さうにしてゐて、業界の本格再始動はまだまだ遠いらしいと感じる。
嗚呼、それは私の手猿樂も然り。