迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

すべてはごでうのはしのうえ。

2015-07-17 20:18:58 | 浮世見聞記
国立能楽堂の納涼能公演で、宝生流の「橋弁慶」を観る。

弁慶と牛若丸が五條橋の上で出逢う、わかりやすい曲だ。


一般に流布している伝説では、夜な夜な五條橋に出没して侍の刀を奪うのが弁慶で、そこへ現れるのが牛若丸、となっている。

しかし謡曲では、橋で人を襲うのが牛若丸で、それを迎え撃たんとするのが弁慶、と立場が逆になっている。


演能前の解説によれば、弁慶と牛若丸の伝説がつくられたのは室町時代の頃で、当時は上の二つのパターンの話しが存在しており、謡曲の作者は後者を採ったのだらう、と。


いづれにせよ、人様に迷惑をかける厄介者だったことに、変わりはない。



牛若丸の源義経と武蔵坊弁慶の話が実説だろうが虚説だろうが、そんなことはわたしにはどうでもよい。




類は友を呼ぶ―



人との出逢いとは、そういう必然の為せる業なのだ。
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