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二年ぶりに山形県鶴岡市櫛引町を訪ねて、黒川能の薪能公演「水焔の能」をたのしむ。
二年前に初めて訪れた時は、ゲリラ豪雨による天候不順のため屋内に場所を移しての演能となったが、今回はなんとか雨だけは免れ、野外で観ることが叶った。
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今年は能が「船弁慶」と「猩々」、間に狂言「針立雷」をはさんだ三番。
黒川能の狂言は、いかにも庶民によって受け継がれた芸能らしく、武家式楽の性格を濃厚に残した“五流能”の狂言にはない童話的な柔らかさと暖かさがあり、素直な気持ちで笑うことができる。
そして「船弁慶」には、“五流能”では時局をはばかり謡うのをやめてしまった『主上をはじめ奉り』の一句が、いまもそのまま生きており、権力者の保護のもと伝わった“五流能”と、庶民に守り育てられて伝わった黒川能との明確なちがいを、ここにも見出だす。
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庄内の広い夕焼け空のもと、涼しい風に吹かれながら、芝生へ両足を投げ出して、のんびりとした囃子を聴いていると、自然へ身を委ねることの幸せを、いまさらにして実感する。
二年前に初めて訪れた時は、ゲリラ豪雨による天候不順のため屋内に場所を移しての演能となったが、今回はなんとか雨だけは免れ、野外で観ることが叶った。
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今年は能が「船弁慶」と「猩々」、間に狂言「針立雷」をはさんだ三番。
黒川能の狂言は、いかにも庶民によって受け継がれた芸能らしく、武家式楽の性格を濃厚に残した“五流能”の狂言にはない童話的な柔らかさと暖かさがあり、素直な気持ちで笑うことができる。
そして「船弁慶」には、“五流能”では時局をはばかり謡うのをやめてしまった『主上をはじめ奉り』の一句が、いまもそのまま生きており、権力者の保護のもと伝わった“五流能”と、庶民に守り育てられて伝わった黒川能との明確なちがいを、ここにも見出だす。
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庄内の広い夕焼け空のもと、涼しい風に吹かれながら、芝生へ両足を投げ出して、のんびりとした囃子を聴いていると、自然へ身を委ねることの幸せを、いまさらにして実感する。