何の気なしにTVをつけると、市川雷蔵の「眠狂四郎 円月斬り」が放送されてゐた。
昭和39年公開の、大映作品だ。
さう言へば、大阪在住時代には市川雷蔵の眠狂四郎全作品が、関西ローカル局で昼間に放送されてゐたな……、と懐かしく思ひ出しながら、そのまま最後まで観入る。
脇役、端役の一人一人に至るまで、人物像がきっちりと出来上がってゐて、それが作品に奥行きを与へてゐる。
当時の俳優たちの質の高さ、推して知るべし。
また女優たちが皆、美しい。
現在のやうなクローンだらけとは違ひ、一人一人がちゃんと、“自分の顔”といふものを持ってゐる。
それがスクリーンを、あでやかに彩ってゐる。
眠狂四郎役の市川雷蔵につひては、いまさら私ごときが語ることでもあるまい。
ただ、事実をひとつ言ふとすれば、現在の動画屋のほとんどが、この俳優の名前を知らない。
せいぜい、「どこかで聞ひたことあるやうな……」などと、小首をかしげる体たらく。
温故知新すら知らない現在(いま)の動画屋の中身など、しょせん多寡が知れてゐる。
それにしても、歌舞伎出身の銀幕スターを観るにつけ、
『名門と名優は別もの』
といふ事実を、つくづく思わずにはゐられない。
昭和39年公開の、大映作品だ。
さう言へば、大阪在住時代には市川雷蔵の眠狂四郎全作品が、関西ローカル局で昼間に放送されてゐたな……、と懐かしく思ひ出しながら、そのまま最後まで観入る。
脇役、端役の一人一人に至るまで、人物像がきっちりと出来上がってゐて、それが作品に奥行きを与へてゐる。
当時の俳優たちの質の高さ、推して知るべし。
また女優たちが皆、美しい。
現在のやうなクローンだらけとは違ひ、一人一人がちゃんと、“自分の顔”といふものを持ってゐる。
それがスクリーンを、あでやかに彩ってゐる。
眠狂四郎役の市川雷蔵につひては、いまさら私ごときが語ることでもあるまい。
ただ、事実をひとつ言ふとすれば、現在の動画屋のほとんどが、この俳優の名前を知らない。
せいぜい、「どこかで聞ひたことあるやうな……」などと、小首をかしげる体たらく。
温故知新すら知らない現在(いま)の動画屋の中身など、しょせん多寡が知れてゐる。
それにしても、歌舞伎出身の銀幕スターを観るにつけ、
『名門と名優は別もの』
といふ事実を、つくづく思わずにはゐられない。