迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

仍て常の如し。

2021-12-31 20:27:00 | 浮世見聞記


令和三年、2021年、そして“人災疫病禍二年”の大晦日。


地元の驛では帰省なのか旅行なのか、荷物をゴロゴロ曳ひた人たちの姿を見かける。



どこへ行かうが、あとはその人たちの心掛け次第。

行末など知ったことではない。


ただ、かうした行動が疫病感染者の擴大に一役買ってゐることだけは、



間違ひない。




浮世はただただ冷笑に尽きた一年なれど、私自身は國難下と云ふ制限枠のなかで、行きたいところに行き、觀たいものを觀、欲しいものを手に入れ、願ひのほとんどを叶へた、樂しみを大いに樂しんだ一年。

残ったぶんは来年に繰り越し。


なにより一番の出来事は、今年はさすがに無理と覺悟してゐた手猿樂師としての活動を、オンラインと云ふいまもっとも関心のある形態で、一度だけでも行なへたこと。



いまのところ、来年こそ舞臺に立てるかは、全くもって不透明。

それでも、自力本願は決して自身を裏切らない──

私の信念を証明してくれた、嬉しいひとときだった。




さてさて、今年の残りの時間は部屋で落語を聴ひて、

眠くなったらさっさと床に就くことにしやう。



ああ、幸せ幸せ。





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