迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

みるのはだれか。

2012-01-27 20:21:10 | 浮世見聞記
映画の興行収益が低迷している、とニュースが伝えていた。

“驚異の映像革命”を謳い文句に、CGだの3Dだの、己れの技術力を誇示するばかりで、肝心の中身が観客のニーズから掛け離れたスカスカの代物では、観客に次第とそっぽを向かれるのは、当たり前だ。


集客のために、次々と企画を捻り出すのは結構である。

しかし、

『観客は我々にどのような楽しみを求めているのか』-

その基本を、あまりにも忘れ過ぎている気がしてならない。

その基本を「しょせん綺麗事」と鼻で笑い、己れらを取り巻く目先の事情にばかりとらわれた作品を量産した結果が、現在の有様。


またエンターテイメントに必要不可欠なのが、充分な「宣伝」。

その宣伝に、

「あまりカネをかけるわけにはいかない」

と業界トップが公言している。


内部崩壊は、着実に進行しているらしい。





『我々は誰に見せ、誰に楽しんでもらうのか』

私が一つの作品プランを練るとき、何よりも優先且つ重視するのが、ここだ。

確かに、


“言うは易し、行うは難し”

なかには、そこで林檎が欲しいのに、平気で蜜柑を持って来ようとする者がいる。

そんなことをしたら観客が笑うどころか観客に嗤われて、作品が大失敗することは明らかだ。

しかし、蜜柑を押し付けようとする者に、そんな感性など、無い。

そこへ蜜柑を持って来ることで、“己れ個人の面目”が立てばそれでよいと考えている。

言語道断。

だから、私は蹴飛ばす。


プロなら、

誰だって誇り(プライド)を以ってそうする

はず、だから。
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