三十年以上も昔から、國が定めた成分の基準を満たしてゐないばかりか、虚偽の試験結果を作成して製品を出荷してゐたことが、令和四年(2020年)に富山縣が実施した抜き打ち調査により發覺、同社は製品516萬個を自主回収、四月三十日より医療品の製造を二十三日間、販賣を二十二日間停止云々──
たしかキョクトウ製の正露丸は我が家にもあったな……、と藥箱を開けたら、やはりあった。
“元祖”の大幸藥品製に比べて安価で、どうせパッチもんだらうがまさか飲んでも死にはしないだらう……、が、實は一歩誤ればとんでもないことが判明して、愕然憤然。
たしかに、これまで服用して異常を感じたことはなかったが、これでは真正(ほんたう)のパッチもん、しかも三十年以上も偽装とはこりゃ年季の入ったパッチもん、藥とはすなはち毒であることを考へると、むしろ今までよく無事だったと胃がキュルキュルする思ひだ。
越中製のクスリについては、以前にも他社で業務停止の不祥事あり、先人たちが築き上げてきた『クスリどころ』の信頼(ブランド)も、いよいよ崩れ始めた。
人の生命に直接関はるものがコレでは、いったい浮世では何が信じられるのか……?