迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

拾ふ子どもや厄払ひ。

2017-07-14 21:45:02 | 浮世見聞記
東海道は旧戸塚宿の八坂神社に、元禄の頃から伝わるといふ伝統行事「お札まき」を見る。

これは顔を白く塗り、姉さん被りに襷掛けといった女装をした男性たちが、



『サァサこども 天王さんは泣く子がきらひ……』

云々、と渋団扇で拍子をとって囃したあと、ボテ鬘を乗せた音頭取りが掲げる“正一位八坂神社御守護”としたためられた小さなお札を、



渋団扇で煽ぎながら撒く──



一種の厄払ひ行事だ。

はじめに八坂神社の境内で行ひ、



それから一時間以上かけて、近隣地域をまわる。



子どもたちが大はしゃぎで後ろを付いてまわり、時には衝突して鼻血を出しながら、懸命にお札を拾ひ集める──



そんな子どもたちの無邪気さが、

いちばんの邪気払ひと言へるだらう。
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