迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

曖昧模糊。

2017-07-23 16:55:25 | 浮世見聞記
用事があって訪れた町の駅前を、夏祭りの神輿が巡行してゐた。

担ぎ棒の上に人が立って気勢を上げるのは、かうした祭りではよく見られる光景だが、男女混合で担ぐその神輿には、色白で細足の若い女性が立ってゐた。

両手の扇子を振り振り、男気取りで気勢を上げてゐたが、膝が内側を向いてゐるあたり、しょせんはオンナだ。

聞いた話しでは、人が神輿の担ぎ棒に立つのは行儀が悪い、とされてゐるらしい。

それはともかく、神輿に立って気勢を上げるのは、勇み肌のお兄さんだから、見栄えがするのである。


なんでもかんでも男社会に女性が侵蝕してゐるご時世とはいへ、それも時と場合によるわえ!──


わたしは威勢よく巡行する神輿を見るのは大好きだが、この時ばかりはすっかり興醒めがして、さっさと改札口へ向かった。
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