迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

都会の証人。

2020-02-04 16:43:00 | 浮世見聞記


江戸時代には増上寺の一角だった、東京都港区の芝公園。

その公園に一本の古いイチョウ、ありける。



向かう側へ回ると、幹が黒く焦げてゐることに気が付く。


これは昭和二十年五月二十五日の東京大空襲によって、被災した跡。

いかに凄まじい火焰であったか、容易に想像できる。

七十年以上が経った現在も、かうして傷痕は遺ったまま。

人間も大火傷をすれば、肌にはっきりとその痕をのこす。


──ともに同じ“生き物”ゆゑ。





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