迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

藝風の棲み分け。

2018-04-10 19:48:52 | 浮世見聞記
桂小文治と桂文治の落語を聴きに、上野広小路亭へ出かける。

小文治の噺は落語の定番「金明竹」、主任(トリ)の文治は「親子酒」。


二人とも先代(十代目)桂文治の門下で、兄弟子が小文治で弟弟子が文治と、先輩後輩で名跡の格が逆転してゐるわけだが、桂小文治とは先代文治の師匠、つまり当代からすれば大師匠の名跡なので、弟弟子とはうまく釣り合ひがとれてゐると言へる。


小文治は品のある端正な藝風、文治は豪快な爆笑型だが、今日の「親子酒」のやうに、酒吞みの心理を繊細な描写で魅せるところに、トリを取る噺家としての面目躍如たるものがある。


だからと言って、決して小文治がマズイといふことではなゐ。

清潔感のある明るひ高座は、初めて日本の伝統話藝に触れる人には、ぜひ接してもらひたゐ真打ちの一人だ──



もっとも、他人(ひと)の話しなど頼りなゐもの。


なにが好みでなにが好みでなゐか、せいぜゐ己の体で分別することである。



ここで話してゐることは、私の目から見た浮世を、私が感じたまま、話してゐるものにすぎなゐ。


ただし、

その総てにおゐて、

自信と責任は持ってゐる。



だから、それに対し他人がだうであらうと、

知ったことでなゐ。
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