昨日からしつこく降り續く雨に、午前中に往年の“暴れ川”を見ると、昔を思ひ出したやうな様相を見せてゐた。
いまはすっかり水没した河川敷で、ふだん浮世の休日にはこれ見よがしに鐵板焼きゴッコをやってゐる輩には、かういふ時にこそ、あの鐵板根性を發揮していただきたいものである。
そんな濁水を、鴨が悠々と渡ってゐる。
ここだけを切り取ったら、優雅な光景らしく映るだらう。
情報は、つねに切り貼りされて公けとなる。
ラジオで、名曲「タッチ」のカバーが流れてゐた。
カバー曲などと云ふものは、まず殆どが失敗と相場が決まってゐるが、この名曲ほど岩崎良美でなければならぬ曲もない──
さう感じさせる腕前だった。