迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

地元で現世浄土に逢ふ。

2021-05-03 19:38:00 | 浮世見聞記
昼過ぎ、兵糧を調達のため城を出、複合商業施設へ向かふ。

時期的に混雑を覺悟してゐたがさほどでもなく、また前から欲しかった古本もさらに安く手に入り、氣分が明るくなってふと、長らく本堂の新築工事をしてゐた近くの古刹を、久しぶりに訪ねてみやうと思ひ立つ。

まう完成した頃だらう……。

思ひ立った、といふことは、すなはち御縁あって“招かれた”、といふことである。



1400年代創建と傳はるその古刹は、白木も美しい姿にみごと生まれ変はり、私を迎へてくれた。

新築祝ひのつもりで浄錢を奮發し、合掌して念じるはただ一つ。


戻りがけにはお気に入りの鐘楼へ寄って久しぶりに小謠を吟じ、



また猿樂の基本的な型をいくつか浚ふ。


おかげで私は、

やっと私に戻る。







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