たぶん一年ぶりに、浅草へ出かけてみる。
たぶん、と云ふほどに久しぶりの浅草、手猿樂に使へさうなものを手に入れるのにアテにしてゐた店のいくつかが、消へてゐたり縮小化されてゐたりで、
あらあら……。
と戸惑ふ。
距離の問題で面倒に思ひ、また他の入手経路を見つけたりで御無沙汰してゐるうちに、現実世界は容赦なく変化せり。
さりながら、御縁があればまた面白い”出逢ひ“もあるでせう。
それを見たのが、
今日の御縁。
ふと気が変はって、
明治通りを澁谷へと歩く。
ここだけは、
ごくたまに訪れるくらゐが樂しい。
かういふ場所で不景気な顔をした人は、
本物の不幸なのだと思ふ。
作り物の色も、
重ね塗りならそれなりに映る。
たまには現今の色も見ておかう。
嘘もさうだとわかってさへいれば、
それなりに樂しいものじゃによって。