迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

ニッポン徘徊―中山道18 鴻巣宿

2010-06-12 22:24:40 | 旧中山道
桶川宿から歩くこときっちり2時間、鴻巣宿に到着。

ここは江戸幕府がひらかれる前年、お隣りの北本宿から機能を移転してオープンした宿場で、江戸時代はよく火事に見舞われたとか。

ここは旧宿場町の史跡はほとんど残っていないのでサッサと通り、次の熊谷宿を目指します。

…と言っても、次の宿場までの距離は、なんと四里(16キロ)!



こりゃいよいよ覚悟を決めねばならぬわえ、と思ううち、鴻巣市加美で高崎線の踏切を渡り、再び東西チェンジして歩くこと小一時間、箕田というところで渡辺源氏綱が祖父の源仕(みなもとのつこう)、父の源充(みなもとのみつる、または宛“あつる”とも)の菩提寺として建立したと云う「宝持寺」↓が右手に見えてきます。



なんでもこのあたりは武蔵武士の発祥地で、嵯峨天皇より七代目の子孫で歌舞伎の「戻り橋」や「茨木」で堂々たる主演ぶりをみせている渡辺源氏綱も、この土地の出身。

天皇の子として生まれながら、口減らしのために“源”姓を与えられて臣籍降下させられた皇子の子孫たちは、世の中を自分の力で生き延びねばならず、中央(京)にいても所詮うだつが上がらないため、代官として地方へ下ったのを幸いそのまま土着して武士化、勢力拡大を図ったのです。
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