迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

“共感”が笑いを呼ぶ。

2010-10-08 22:42:17 | 浮世見聞記
江戸東京博物館で開催中の、企画展「徳川御三卿展」を見ました。

八代将軍徳川吉宗の流れをくむ田安、一橋、清水それぞれの家に伝わる古文書や美術品を通して、その実像を紹介した展覧会。

田安徳川家伝来の「画賛」は、いかにも画賛のハウツー本らしく“絵の顔の向きによって歌の書き出しも左右変えるべし”といったことが書かれていたりして、へぇこういうものがあったのか…、と思わず感心した逸品。

清水徳川家伝来の品としては、1867年にパリ万国博覧会へ将軍名代として参加のため渡欧した六代当主徳川昭武が、スイス大統領から贈られた懐中時計が展示されていました。

蓋の裏には衣冠束帯姿の昭武の肖像画。

わずか14歳の少年武将が日本国独自の古式な正装で訪問したことは、当時の外国人に相当なインパクトを与えたらしいことを窺わせます。

…それにしても徳川家の人々の名前って、振り仮名抜きではホントに読みづらいなぁ(+_+)


夜は二ヶ月ぶりに三遊亭小圓朝さんの落語を聴きに、JRのガードをくぐり抜けてお江戸両国亭へ。



今宵の噺は「巳の辻占」、水商売の女にいいようにあしらわれる男のはなし。

サゲの、ああいう商売の女が言いそうな一言が絶妙。

トリは圓楽さんで、「ずっこけ」。

面倒臭いタイプの酔っ払い男を実録ものさながらに聴かせて、満場のお客を爆笑の渦に。

狂言がまさにそうですが、人間のありのままを絶妙な間で見せるからこそ、お客は笑いを誘われるのです。

そしてそれが“芸”と云うものだと、私は考えます。

それにしてもマクラからお酒のネタをたっぷり聴かせてくれたので、なんだか自分も一杯やりたくなってきちゃったな…。
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