昨日の強風雨から一転して、今日は朝から快晴なれば、たぶん今週限りと思はれる今年の櫻を、じっくり見て歩くことにする。
今年は三月下旬に寒暖が右往左往して開花時期がはっきりしなかったが、いざ開花したあとは例年通りの満開を迎へて、今日はゆっくりじっくりいまの季節を知る。
敷物の上でお辯當を樂しむ人もゐて、かういふ時と場所ならばさぞ美味しからうと思ふ。
櫻の下をちらほらと通る人を見て、ヒトばっかりで冩真が撮れない、などと独り言に文句を垂れてゐるのもゐたが、みんな自分と同じことを考へて出て来た人たちだと云ふことまでは、アタマが回らないらしい。
櫻の季節は花曇りが付き物だが、今日は空氣が澄んでゐて、且つ雑音もないので、やっと自分らしい花見が叶った満腹感をお土産に、ゆっくり道を下る。