私が幼かったころ、近くに「はこやのおばさん」と呼ばれるおばさんがいた。何やかやと家の雑用をしてくれるので、私たち子供は、固有名詞のように「はこやのおばさん」と親しんでいた。別に、家で箱を作っているようでもなかったから、誰かがむかし、箱に関係する仕事を生業にしていたのだろう。
ところで、今日、突然、愛知県から「箱や」さんなる人が尋ねてきた。
「ちょうど静岡にきたので、ちょっとご挨拶を」と箱やさん。何回か焼き物をいれる桐箱を注文したことはあるが、すべてFAXで済ませていたので驚いた。一年に、一度ぐらい、お得意様まわりをするのだという。
焼き物を入れる桐箱は、作品の大きさによって違うから、すべて特注である。どこに頼むかというと、大体先輩に紹介してもらったところになるから、新しいお客が増えていく、そこにご挨拶に行くらしい。昔風で丁寧なのだ。
丁寧と言えば、「桐箱」も実に丁寧で、さまざまなこだわりによってランクが違っている。素材も、中国桐の合成材から日本桐の柾目まで、ピンからキリまで。さらに箱をいわえる組みひもにも、箱に掛ける上紙にも、器を包む布にも、いろいろなランクがある。
箱やさんは、実物をしめしながら、それらを丁寧に説明してくれた。「なるほど」と、感心することばかり。
ちなみに、笠間焼きの人間国宝松井康生さんの桐箱も、この箱やさんが収めていたとのこと。ということは、松井康生のと同じ桐箱に、私の作品も入るというわけである。ヘンな感じ。
ところで、今日、突然、愛知県から「箱や」さんなる人が尋ねてきた。
「ちょうど静岡にきたので、ちょっとご挨拶を」と箱やさん。何回か焼き物をいれる桐箱を注文したことはあるが、すべてFAXで済ませていたので驚いた。一年に、一度ぐらい、お得意様まわりをするのだという。
焼き物を入れる桐箱は、作品の大きさによって違うから、すべて特注である。どこに頼むかというと、大体先輩に紹介してもらったところになるから、新しいお客が増えていく、そこにご挨拶に行くらしい。昔風で丁寧なのだ。
丁寧と言えば、「桐箱」も実に丁寧で、さまざまなこだわりによってランクが違っている。素材も、中国桐の合成材から日本桐の柾目まで、ピンからキリまで。さらに箱をいわえる組みひもにも、箱に掛ける上紙にも、器を包む布にも、いろいろなランクがある。
箱やさんは、実物をしめしながら、それらを丁寧に説明してくれた。「なるほど」と、感心することばかり。
ちなみに、笠間焼きの人間国宝松井康生さんの桐箱も、この箱やさんが収めていたとのこと。ということは、松井康生のと同じ桐箱に、私の作品も入るというわけである。ヘンな感じ。