陶芸工房 朝

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戦い

2006年07月23日 | 日記・エッセイ・コラム

 「今年は、どうも山野草の咲き具合がおかしい」。

 そう思ったのはもう二週間ほど前のこと。いつもなら咲く筈の笹ユリや山百合やレンゲショウマや、あの丈夫な野かんぞうまで咲きゃしない。

20060604_011_1   今年は、雨の日も多かった。

  草取りもしてやらなかったし・・・。

 思い立って、早朝から武装して草取りを始めた。

 何ということだろう、行く先々に、予想をはるかに超えた雑草がバリヤのように茂っている。山野草はというと、その陰に隠れてヒョロヒョロとかろうじて伸びている。

 「ちょっと遅かったか !」

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  強いのは細い笹と藪がらしとドクダミのたぐいだ。片っ端から引き抜くが、容易なことではない。雑草と戦いながら、途中ではたと気がついた。山野草がもやしのようにヒョロヒョロしているのは、雑草のせいばかりではない。近くにある樹木の葉が、天を覆うように茂っているせいなのだ。百合類のある椿の木の下には、かすかな光しか来ない。下枝を掃わなくてはだめなのだ戦いの相手がランクアップする。ああ !

0000002_004_1   ちなみに、昨年は50センチくらいの高さで咲いていたトリカブトが、今年はなんと3メートルもの高さに伸びて、まだ花芽がきていない。ましてや、弱い山野草をおいておや、である。

0000002_005_1  「土」と「水」と「太陽」、これがこの世に生命を生み出した。いかに文明が進化しても、その原点は変わりゃしない・・・・。

草取りは、哲学者を生む。

百姓は、多分宇宙の真理と対峙する。

 わけの分からないことを考えながら、小半日の泥まみれの草との戦い。武装したにもかかわらず、損傷は大きな虫さされ三箇所。

           

_055_1  「家の庭は、ほっておいても次々に山野草が咲くのよ」と自慢げにいっていた台詞は取り消し。今年はフジバカマもホトトギスも、セキヤノアキチョウジもあまり期待がもてそうにない。

  *写真は、草取り、枝払いを終えたわがワイルド庭園と、去年はこんな風に咲いていたトリカブトの花で~す。