陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

秋の夜の小さな音楽会・ドビッシーをめぐる潮流

2016年10月02日 | 日記・エッセイ・コラム

十月、秋ですねー。秋の長夜を音楽で楽しむ

なんていうと格好いいけど、誘われて小さな音楽会に行ってきました。

しょっぱなから不協な和音がなり響いて、否応なく非日常の中に引きずり込まれるような音楽会・・。

小さな音楽会は、サティの「バラード」の中の「赤い 幕の前奏曲」で始まりました。

演奏は、青柳いずみこさんと高橋悠次さん   ピアノ連弾。

 

*

  

   ドビュッシーの研究家でありピアニストでもある青柳いずみこさんの

ユニークなトークで音楽会は進行していきました。

  最初の曲は1914年にパリのシャトレ座で初演されたバレー音楽。台本はコクトー、衣装と装置はピカソ、振付はマシーン、指揮はアンセルメ  と書かれています。それだけでも驚きなのだけれど、ピアノの連弾で叩き出される音楽の型破りで斬新なこと。ジムノペデイやグノシエンスしか知らなかったサティの、型破りの音の連打に唖然とさせられてしまいました。 

  プログラムは、「ドビュッシーをめぐる新しい潮流」ということで、サテイから ラウ"ェル・ストラウ"ンスキーと進みました。  世紀末から20世紀にかけて、成熟しきったパリで、古典的な形式から離れて、新しい出口を求める芸術家たちのうごめき、そのエネルギーが音を通して伝わってきます。

*

  最後の曲はストラウ"ィンスキーの「春の祭典」でした。

  この曲がシャンゼリゼ劇場で初演される前の1912年に、評論家ラロアの別荘で,高音部をストラウ"ィンスキーが、低音部をドビッシーが弾いて、二人は連弾をしたのだそうです。まるで、映画の一シーンを見るようなシチュエーションです。

  その様子が伺われるような演奏を、青柳さんと高橋さんが連弾で再現してくれました。オーケストラとは全く違うピアノならではの「春の祭典」。異常なまでの激しい春ならぬ「秋の祭典」を堪能させて頂いた秋の夜でした。

 

                                                                          50人くらいしか入れない小さなコンサートホールです

*日本は、この頃、富国強兵のもとに世界を相手に戦争に突入しようとしていたのを思うと、感無量です。