今日は朝から防災訓練でした。
緊急連絡網の電話を待って近くのお寺の境内に馳せ参じましたが、防災訓練は1時間ほどで終わり。 あまりに良い天気なので、近くの谷津山に散策に出かけることにしました。
山の木に絡まりついたヒヨドリジョウゴの赤い実
谷津山というのは、静岡市の中央に位置する標高108メートルの程の丘陵地で、私のアトリエはその谷津山の麓にあります。だから、谷津山の一部はいわばアトリエの前庭のような感じ・・。以前は、愛犬のTEOがいて、(TEOとは、ゴッホを支え続けた忠実な弟テオから借用した名前) 毎日のように山を散歩して慣れ親しんだ場所でした。ところが、TEOがいなくなり、家族もそれぞれ独立してしまってからは、すっかり足が遠のいてしまいました。
緩やかな山道を15分程歩くと、遠くには南アルプス
眼下には静岡市街を展望する、谷津山の山頂につきます。
ここが108メートルの山頂で、 ここには、4世紀頃の前方後円墳の跡があります。
この地を納めていた「いほ原の国」の首長の墳墓だとか。
この首長、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の蝦夷征伐の際に功績を納め、その褒賞として「いほはらの地」を戴いたというのですから、大変な実力者だったのでしょう。633年には、なんとこの地(現在の静岡県清水市清水港のあるあたり)から、1万余人を引き連れて170余叟の水軍で、朝鮮半島まで戦いに出向いたというのですから大変なものです。それが歴史で習った「白村江の戦」(633年)です。
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この小高い丘の上から南の方を眺めると、駿河湾の海面がきらきらと光って見えます。
しばらく見ない内に樹木が大きくなって、木や竹があたりの視界を変えていますが、
変わらないのは、南の海と東の方に見える富士山です。
秋の谷津山からみた富士山は、なんとも穏やかで平和そのもの。
若い頃には、そのあまりにも穏やかで平凡な美しいさに、感興を感じることができませんでした。歳を重ね、たくさんの身内を見送り・・、そして、今年は兄や義弟をも送ることになってみると、この変わることのない泰然とした富士山の姿には、圧倒されるものがあります。
年年歳々花相似 歳月年々人不同
ふと、この大きな自然の中を、通り過ぎて行った人々のことを、思うのでした。
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