この季節は、まだ土が冷たくて、轆轤をひく手が凍えます。陶芸には厳しい季節です。
でも、そうそう冬眠しているわけにもいきません。手捻りで小さな壺を作りました。
蹲・うずくまる A.T 作品
人が膝をかかえて丸まったような姿をすることを「うずくまる」と言いますね。そんな恰好をした小さな壺のことを「蹲」と言います。
もともとは、穀物の種壺や油壺として使われた雑器なのですが、茶人がそれを「花入」に見立てたことから、茶席に使われるようになり、江戸時代には茶陶として「蹲」という呼称が定着しています。
本来の蹲は、20cm前後の背が低くずんぐりとして胴が張り出してた小壺で、表面は手捻りの紐作りによって微妙に波打ち、薪窯で焼かれた際に灰をかぶったところには焦げが、灰のない部分には緋色が出ています。信楽や古伊賀、備前や唐津のものが有名です。
雑器として使われた小壺
侘びた風情と愛嬌のあるずんぐりした姿が魅力の蹲、
その形と雰囲気を現代風にアレンジして焼成してみました。
F.K作品
K.S作品
M.S作品
いずれも今年の初窯で焼成したものです。
一枝の梅・一輪の山椿・花を入れると一層映えます。