この秋、「故郷に還る、微笑み。木喰展」というのを見ました。
*
仏像に特別な興味があった訳でもなかったのですが、
その「のみ」の痕や、背面に記された文字の生生しさや、原木の面影を見せる木の断面なんかを見ていたら、
「木を彫る」ことの息使いが伝わってきて、「私も彫ってみたい」と思ったのでした。
で、
木喰さんを真似て、
夜な夜な「のみ」ならず「彫刻刀」を振るって彫った「薬師如来?」ですが、どうでしょう。
どう見ても神々しい如来には見えません。まだあどけない無垢な少女でしょうか?
いえ、
クリスマスにちなんで「聖母マリア」ということにしておきましょうか。
12月24日はキリストの誕生日ですから・・。
*
木喰さんの作品は、仏像の形をとっていて、その名称も菩薩や如来や観音と名付けられていますが、
その風貌や佇まいは独自で、私には、彼自身の自画像のようにおもえます。
仏門に帰依し、その一生を修行に生きた人の、苦しみと安らぎと祈りから生まれた自画像、そんな気がしています。
つれづれの秋の長夜を仏彫る