「どうもお腹の調子がよくないの」と言ったら、友達が「陀羅尼助丸」をもってきてくれた。
江戸時代から使われている和漢胃腸薬だそうだ。
「だらにすけがん」それにしても面白いネーミング!!
「ダラニ」「だらに」「陀羅尼」 「ダラニ」
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陀羅尼とは、サンスクリット語のダーラーニーの音を写したもので、総持・能持 と訳すのだとか。
教えの精髄を凝縮させる言葉・教えの心理を記憶させる力・行者を守る力・神通力を与える呪文
密教の真贋を成就するための蜜呪の言葉
なるほど 陀羅尼 助 丸 ・・か!
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今から1300年前、疫病が流行し多くの人が腹痛に苦しんでいました。役の行者は苦しむ人々を助けるため、山中の黄柏(オウバク)の木の皮をはいで、煎じ薬にして人々に飲ませ、疫病から救ったといわれています。(陀羅尼助丸の説明文)
今から1300年前と言ったら717年。大海の皇子が吉野に陰棲し、壬申の乱が起きたのは672年だ。
まだ自然と神と人間とが混然としていた時代、自然災害も疫病も、政治の混乱だって、人間の力だけではどうにもならないと考えられていたに違いない時代だ。その当時、 奈良吉野の霊山には、山岳修行をする修験者たちがいた。彼らは、修行を重ね、山の霊力を体内に吸収し、自己を引きあげ、霊力を人々に授けた。その一つに、修行中に体を守るためにつくられた霊薬があった。
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そのありがたい霊薬を頂く時陀羅尼を唱える。
陀羅尼・陀羅尼・病が早く治りますように・霊験あらたかなご利益がありますように。
それが、陀羅尼 助 丸 のいわれ・・?
(こんなストーリーはどうだろう。)
陀羅尼助丸の小さな丸薬を30粒程口にふくみながら、
陀羅尼 についての想像を楽しんだ。