この本のことはブログに何度も書いてますが、「読み返したくなる本」というカテゴリーを作ったので、何度でも書いてしまおう。
フィリパ・ピアスの「トムは真夜中の庭で」ももちろんいいんですが、この"Minnow on the Say"は「読めば読むほど好きになる」というタイプの本ではないかなと思います。
Davidの家の裏にはSay川が流れていて、裏庭の桟橋から川に繋がっています。
裏庭から川へ行けるなんて憧れるなあ。
大雨の後、Davidが桟橋にカヌーが流れ着いているのを見つけるところから物語は始まります。
裏庭の桟橋は普段はDavidのお父さんが庭の花の水やりに川の水を汲むのに使われているだけです。
だからDavidがこのカヌーの持ち主を探すためにそのカヌーで川へ漕ぎだした時のわくわくした気持ちがよくわかります。
カヌーの持ち主のAdam と一緒にAdamの祖先が隠した宝を探す二人の少年の夏休みの冒険。
冒険といっても悪漢に追いかけられるとかいうわけではなく、全体的にとても地味な話なんですが、セイ川の描写が生き生きとしていて、この物語の主役はもしかするとセイ川なのかもしれない、なんて思えてきます。
もし児童書で一番好きな本を1冊選べと言われたら、読むたびに好きになっているこの"Minnow on the Say"が今の私の「ベスト」ですね。