こんにちは、ネーさです。
今日のサクラちゃんは……まだまだ満開だったり、
少し葉桜になっちゃったり?
「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるる!ぐるぐるぐるがる!」(←訳:虎です!ケヤキの若芽がきれいだよ!)
新緑の季節が近づいてきた、ってことですわね。
では本日は……若葉なんてものとは真反対な?こちらの御本を、
さあ、どうぞ~!
―― 煙が目にしみる ――
著者は石川渓月(いしかわ・けいげつ)さん、2011年2月に発行されました。
『Smoke Gets In Your Eyes』と英題が付されています。
「むむゥ! しぶいィでスねッ!」
「がるぐ~るぐるがるる…」(←訳:このシブ~イ雰囲気は…)
「はーどぼいるどォ、でスかッ♪」
そうね、折り紙つきのハードボイルド!……と、
言っていいのかしら……?
主人公さんは、
お腹回りはたっぷり、
ヘアスタイルはパンチパーマ、
濃紺のスーツに、
クロコダイルのセカンドバックという装いで、
これはもう、どう見ても……
「ぱッ、ぱんちィぱーまッ???」
「がるがるっ?」(←訳:いまどきっ?)
どう見ても、ええ、そう、
カタギじゃない、
そのスジのヒト、な印象です。
ですが実際には、
主人公さん、そのスジには踏み込んでおりません。
彼――小金欣作(こがね・きんさく)さんは、
街金融の社長さんなのです。
いえ、この名前は本名なんですよ。
名刺にだって書いてあります。
『ハッピー金融 代表取締役』ってね。
「……はッぴーきんゆうゥ??」
「……がるがるがるぐるぐるるーる?」(←訳:……ますますハードボイルドっぽくないよー?)
外見はそのスジでも、
名前が「?」でも、
心までは汚れきっていないのが、
小金さんの本質です。
歌舞伎町や六本木には及ばずも、
九州一の規模を誇る大歓楽街といえば、
中洲。
『ハッピー金融』事務所は
中洲とは離れた商店街の一角にあるのですけれど
酔っ払いだらけの金曜日夜、
小金さんが歩いて訪れたのは、
歓楽街の一本裏の路地にある小さな飲み屋さんでした。
『メロンの城』というそのお店に、
わざわざ足を運んだのは
借金の取り立てのため。
別にどうということもない仕事、のはずでした。
貸した金、返してもらいたい。
いや、もう何日か待ってくれ。
いつもだったら、そんなやりとりに終始する借り手と貸し手の話し合いは、
しかし、今夜に限って何かが違っているようです。
ここから、
いつもと違う《何か》から、
小金さんの日常は大きく変転し始めました――
「あらしのようなァ、げきどうッ!」
「がるがるぐるるる!」(←訳:大事件になりそう!)
この御本の素晴らしさは、
博多弁の見事さにあります!
小金さんたちが喋るその言葉の、
なんと活き活きとして魅力に溢れていることでしょう!
一読すれば、たちまち惚れ惚れしてしまいます!
もしも、博多で生まれ育った御方がこの御本を読んだら……
「なつかしィくてェ、ないちゃうゥでスよッ♪」
「ぐるぐるぐるがるるーる!」(←訳:故郷が恋しくなっちゃうかも!)
第14回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作、
ミステリー好きさんに、
ハードボイルド好きな御方にも、
おすすめの一冊です。
御堪能あれ!
今日のサクラちゃんは……まだまだ満開だったり、
少し葉桜になっちゃったり?
「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるる!ぐるぐるぐるがる!」(←訳:虎です!ケヤキの若芽がきれいだよ!)
新緑の季節が近づいてきた、ってことですわね。
では本日は……若葉なんてものとは真反対な?こちらの御本を、
さあ、どうぞ~!
―― 煙が目にしみる ――
著者は石川渓月(いしかわ・けいげつ)さん、2011年2月に発行されました。
『Smoke Gets In Your Eyes』と英題が付されています。
「むむゥ! しぶいィでスねッ!」
「がるぐ~るぐるがるる…」(←訳:このシブ~イ雰囲気は…)
「はーどぼいるどォ、でスかッ♪」
そうね、折り紙つきのハードボイルド!……と、
言っていいのかしら……?
主人公さんは、
お腹回りはたっぷり、
ヘアスタイルはパンチパーマ、
濃紺のスーツに、
クロコダイルのセカンドバックという装いで、
これはもう、どう見ても……
「ぱッ、ぱんちィぱーまッ???」
「がるがるっ?」(←訳:いまどきっ?)
どう見ても、ええ、そう、
カタギじゃない、
そのスジのヒト、な印象です。
ですが実際には、
主人公さん、そのスジには踏み込んでおりません。
彼――小金欣作(こがね・きんさく)さんは、
街金融の社長さんなのです。
いえ、この名前は本名なんですよ。
名刺にだって書いてあります。
『ハッピー金融 代表取締役』ってね。
「……はッぴーきんゆうゥ??」
「……がるがるがるぐるぐるるーる?」(←訳:……ますますハードボイルドっぽくないよー?)
外見はそのスジでも、
名前が「?」でも、
心までは汚れきっていないのが、
小金さんの本質です。
歌舞伎町や六本木には及ばずも、
九州一の規模を誇る大歓楽街といえば、
中洲。
『ハッピー金融』事務所は
中洲とは離れた商店街の一角にあるのですけれど
酔っ払いだらけの金曜日夜、
小金さんが歩いて訪れたのは、
歓楽街の一本裏の路地にある小さな飲み屋さんでした。
『メロンの城』というそのお店に、
わざわざ足を運んだのは
借金の取り立てのため。
別にどうということもない仕事、のはずでした。
貸した金、返してもらいたい。
いや、もう何日か待ってくれ。
いつもだったら、そんなやりとりに終始する借り手と貸し手の話し合いは、
しかし、今夜に限って何かが違っているようです。
ここから、
いつもと違う《何か》から、
小金さんの日常は大きく変転し始めました――
「あらしのようなァ、げきどうッ!」
「がるがるぐるるる!」(←訳:大事件になりそう!)
この御本の素晴らしさは、
博多弁の見事さにあります!
小金さんたちが喋るその言葉の、
なんと活き活きとして魅力に溢れていることでしょう!
一読すれば、たちまち惚れ惚れしてしまいます!
もしも、博多で生まれ育った御方がこの御本を読んだら……
「なつかしィくてェ、ないちゃうゥでスよッ♪」
「ぐるぐるぐるがるるーる!」(←訳:故郷が恋しくなっちゃうかも!)
第14回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作、
ミステリー好きさんに、
ハードボイルド好きな御方にも、
おすすめの一冊です。
御堪能あれ!