テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

麗人画家さんの光芒。

2011-04-14 23:03:00 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今日の東京・多摩地域は、ぬくぬく、ほかほか、な暖かな一日でした。

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 すみれェ、さいてまス!」

  

「がるるー! ぐるぐるぐるがる!」(←訳:虎ですー! 白いスミレも綺麗!)

  

 では本日は、
 美しいスミレさんたちに劣らぬ美貌の画家さんについての御本を、
 さあ、どうぞ~!

  


  
          ―― マリー・アントワネットの宮廷画家 ――



 著者は石井美樹子さん、2011年2月に発行されました。
 副題に『ルイーズ・ヴィジェ・ルブランの生涯』とあります。
 御本の表紙となっているレディを御覧下さいな。
 この御方が、画家・ルイーズさん御本人なんですよ。

「ふむふむゥ、じがぞうッてことでスねッ」
「ぐるぐるがるがるるるーる!」(←訳:絵筆とパレット持ってる自画像!)

 先日ご紹介いたしました中野京子さん著『残酷な王と悲しみの王妃』には、
 巨匠ベラスケスさんのモデルになったマルガリータ・テレサ王女が
 登場いたしました。
 ベラスケスさん以外で、最も有名な肖像画家さんというと
 フランツ・クサーヴァー・ヴィンターハルターさんがおりますね。
 髪に星飾りをいただいた
 オーストリア帝国のエリザベート皇妃の肖像画の作者として、
 また英国ヴィクトリア女王の可愛らしい肖像画の作者でもある彼は
 19世紀後半を代表する画家さんでした。

 そして、
 ルイーズ・ヴィジェ・ルブランさんは
 副題の通り、
 フランス王妃マリー・アントワネットと
 フランス王のファミリー、
 当時のフランス宮廷に集った貴族たちを描いた画家さんだったのです。

「ゆうめいィ、なのでスねッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:たぶんそうだよ!)

 実は、そのあたり微妙です。
 なにしろ、ルイーズさんのモデルとなったお歴々は
 多くがフランス革命で、俗にいう、
 『断頭台の露となった』貴族さんたちでした。
 そういった“罪人”たちの肖像画を描いた女流画家を
 革命政府が好ましく思うはずはありません。
 さらにまた、
 女性である、美しいひとであるというだけで
 ルイーズさんと彼女の作品は偏見にさらされます。

 革命――巨大な政変が、
 ルイーズさんの運命、
 画家としての評価をも翻弄します。

「かくめいィ……!
 こわいィでスゥ!」
「ぐるがるがるる!」(←訳:手に負えないよ!)

 革命の嵐が迫る中、
 ルイーズさんはどう行動したか?
 王と王妃たちの最期を
 王妃の友人・ルイーズさんは、
 或いは画家・ルイーズさんは
 どのように受け止めたのか……

 いまだ評価定まらないルイーズ・ヴィジェ・ルブランさんの生涯を
 丹念に辿るこの御本は、
 まさに労作!といえましょう。
 それに!
 現在、東京・丸の内の三菱一号美術館にて
 『ヴィジェ・ルブラン展』が5月8日まで
 開催されているんです!
 アート好きさんは、
 この御本と展覧会、
 両方を存分にお楽しみ下さ~い♪

「びじんがァ、いッぱいィ!」
「がるるるーがるぐる!」(←訳:歴史もーいっぱい!)

 図版も多数掲載されていますので、
 展覧会へ行けない御方は、
 御本だけでも、ぜひ!
 
コメント
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