西口に射す光。

　こんにちは、ネーさです。
　ケヤキの若芽の成長速度にびっくり！な週明けでした。
　速い！　速いぞケヤキくん！

「こんにちわッ、テディちゃでス！」
「ぐるる！がるるるぐるるーるる！」（←訳：虎です！ケヤキくんも根性ありますね！）

　本日ご紹介いたしますのは、
　ド根性で、命懸けで、ファイターな青年のものがたり。
　萌えるケヤキの若葉にもたとえるべき御本は……こちらです～！

　　　


　
　　　　　　　　　　　　　　　――　ＰＲＩＤＥ―プライド　――


　
　著者は石田衣良さん、2010年12月に発行されました。
　第一作『池袋ウエストゲートパーク』から始まった人気シリーズも、
　とうとう十作目～！
　マコトくん、相変わらず元気です！
　不況だー不景気だーとボヤキながらも、
　池袋駅西口の小さな果物屋さんでスイカやリンゴを商っておりますよ♪

「ふァいッ！
　いちごォ、くださいッ！」
「ぐるるがるるるー！」（←訳：ボクはバナナねー！）

　トラブルシュートの依頼は、
　そうやって果物を店頭に並べているとき、
　或いは親友のキングことタカシくんからの急な連絡で、
　マコトくんの胸元を直撃します。

　この御本には
　『データＢＯＸの蜘蛛』
　『鬼子母神ランダウン』
　『北口アイドル・アンダーグラウンド』
　『ＰＲＩＤＥ―プライド』
　の４作品が収録されていますが、
　優秀なコラムニストでもあるマコトくん、
　時事ネタを見落とさないのはさすがですね。

　『鬼子母神ランダウン』でのテーマは
　いま売上げ好調で大評判な乗り物……自転車です。

「ままちゃりッ、でスかァ？」
「ぐるぐるがるるる？」（←訳：マウンテンバイク？）

　いえいえ、池袋の雑踏にちょこっと似合わないそれは、
　まるでツール・ド・フランスに出場する選手が愛用するような、
　超高級ロードレーサー！

　と、ここまで言えば、お分かりですね？
　ヨーロピアンなセンスただよう真新しいその自転車を
　マコトくんに提供したのは……
　タカシくん。

　例によって王様の気紛れなんだろう、
　まあいい、付き合ってやるか、と
　軽い気持ちでマコトくん、ペダルを踏んでみます。
　爽快に風を切って行き着いたのは、
　鬼子母神さまのケヤキの根もと。
　
　そこでふたりが出逢ったのは……？

「うむゥ？
　みたことないィひとォ、でスねッ？」
「ぐるがる？」（←訳：何者だろ？）

　タカシくんの意外な顔が垣間見える『鬼子母神ランダウン』、
　ぴんと張りつめた空気の表題作『ＰＲＩＤＥ―プライド』――
　いずれの作品もマコトくんらしい、
　いえ、池袋らしい喧騒と熱気に満ちた、
　それでいて静謐さもそなえたものがたりです。
　シリーズの愛読者さんたち、
　もちろんミステリ好きさんも、ぜひ！

「うむむゥ！
　きょうもォ、ゆこうッ、にしぐちこうえんッ！」
「ぐるぐるるるがるるるーるがる！」（←訳：行ったら会えそうマコトくんとタカシくんに！）