テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

紅白という、ひとつの《歌史》。

2014-04-03 21:32:37 | ブックス
「こんにちわァ~、テディちゃでス!
 おはなみィ、したいのにィ~!」
「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!雨だよう!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日の関東地方は雨、また雨……
 お花見は週末に順延することにして、
 読書タイムといたしましょう。
 では本日は、
 サクラと同じように日本人のこころをくすぐるテーマの御本を、さあ、どうぞ~!

  



              ―― 紅白歌合戦と日本人 ――



 著者は太田省一(おおた・しょういち)さん、2013年11月に発行されました。
 春のサクラに対して、
 大晦日の風物詩といえば……

「こうはくゥ、でスねッ!」
「ぐるるる!」(←訳:NHKの!)

 年末のみならず、ほぼ一年を通じて大きな話題となる、
 NHKの紅白歌合戦。

 新人さんがヒットを飛ばせば、
 今年の紅白出場候補か!と新聞雑誌ネットに書かれ、
 常連さんたちは早くから衣装の準備に余念がありません。
 影響力比類なし!の大イベント、ですよね。

 そんな紅白歌合戦の、
 初期の頃はこうだった、ああだった、というトリビア的ネタは
 時折りニュースになりますが、
 あまり知られていないのは
 初期と現在をつなぐ、
 中間の時代の内容です。

「そういえばァ~…?」
「がるるるぐる?」(←訳:知らないかも?)

 ラジオで始まった紅白歌合戦が
 TVへと移行したのは、
 日本が高度経済成長に沸く20世紀後半。

 それは、TVという家電が家々にゆきわたった時代でもありました。

 皆が知る、紅白。
 皆が注目する、紅白。
 そして、そこに出場/出演する歌手さん・芸能人さんたちは
 その年を象徴する“顔”です。

「だいひッときょくをォ、ひッさげてェ♪」
「ぐるるるがる!」(←訳:流行語も連発!)

 年ごとに変わるヒット曲、流行のフレーズ。
 時代に忠実に、かつ残酷なことに、
 くるくると移り変わる人気や世相を、
 著者・太田さんは詳細に描写してゆきます。

   第一章《復興のなかの『紅白歌合戦』》

   第二章《豊かさのなかの『紅白歌合戦』》

   第三章《喪失と再生》

 という主な構成のうち、
 とりわけチカラが感じられるのは
 第二章でしょうか。

「すごいィ~しちょうりつゥ!」
「がるるぐるーがるるる!」(←訳:伝説のスターさんたち!)

 しかし、光の陰に、ドラマあり。

 美空ひばりさんの“落選”、
 フォークソングの台頭、
 歌謡曲の衰退……。

「ふァ~…それはァ~…」
「ぐるるがるがる!」(←訳:TVの歴史だね!)

 日本の歌謡史を追いつつ、
 太田さんの筆は、
 終章《3・11後の『紅白歌合戦』》へと雪崩れ込みます。

 2012年の、三輪明宏さんによる『ヨイトマケの唄』のシーンへと――

「あのうたはァ!」
「がるるっる!」(←訳:すごかった!)

 この終章の素晴らしさ!見事さ!
 単にひとつの番組を研究するだけでなく、
 日本の文化/文化の理想像を問いかける文章は
 活字マニア諸氏必読の名論になっていますよ♪

「ずしりィとォ、おもいィ!」
「ぐっるがるぅ!」(←訳:グッと来るぅ!)

 いまからでも2013年BEST BOOKのリストに追加したい一冊、
 未読の御方は、ぜひ~!




 
 
 

 
 
 
コメント
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