テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

あたふた、ときどき晴れ?

2014-04-28 21:34:36 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふゥッ! きょうはァ、ていでんッ、ないでス!」
「がるる!ぐっるがるる!」(←訳:虎です!ホッとするね!)

 こんにちは、ネーさです。
 昨日4月27日の停電には驚かされましたが、
 真っ暗で不安だった中、ひとつ発見がありました。
 電灯ひとつ点っていない市街地の上は
 満天の星空でしたよ!
 三等星までくっきり見えて、
 ああ、これが自然というものかと愕然といたしました。

 
「でもォ、やぱりィ~」
「ぐるっる!」(←訳:怖かった!)

 電灯のもと、安全に暮らせることに感謝しながら、
 では、本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!

  



           
              ―― お気のドクター ――



 著者は蒼井ひかり さん、2014年2月に発行されました。
 文庫書き下ろしであるこの御本は、
 とある新人ドクターさんが主人公のフィクション作品です。

「うむゥ? はくしょんッ?」
「がぅるるぅるぐるぅ!」(←訳:フィクションだよぅ!)

 いえ、或る意味、ハクションは正しいわ。
 御本を手に取り、
 さぁて、どんなお話かなぁ~と読み始めた活字マニアさんは
 もれなくギョギョっとすることでしょう。

 なんちゅうドクターだ、こいつは!
 ハクション大魔王なみの
 超ド天然かっ!と。

「あくびちゃんもォ、びッくりィ!」
「ぐるるがっるる?」(←訳:みんな困ってる?)

 小石川康史(こいしかわ・やすし)くん、
 26歳。

 大学の医学部を卒業し、
 医師国家試験にも合格して、
 現在は福岡県の富双(ふそう)病院に
 研修医として勤務している小石川くんは……

 指導医の更科(さらしな)先生から
 怒られてばかり。

「きのうもッ、きょうもッ!」
「がるるぅ~…」(←訳:毎日かぁ~…)

 外来、回診、当直、カンファレンス、
 検査に立ち会い、暴れる患者さんを取り押さえ、と
 お医者さん、ことに新米の研修医さんの毎日は
 忙しいものです。

 同僚さんたちから
 “コイ”と呼ばれている小石川先生は、
 忙しくて大変で、という同情すべき要素を差し引いても、
 なんとも、そのぅ~…

「こまッたちゃんッ!」
「ぐるぐる~…」(←訳:やれやれ~…)

 遅刻しちゃうし、
 すぐボ~ッとなっちゃうし、
 指導医の先生のお話を聞いてないみたいだし、
 清潔なはずの白衣はくしゃくしゃのシワだらけ。

 でもね、
 なんか憎めない人なんですね、コイくんは。

 ドジ踏みまくりだけれど、
 悪気はなくて、一生懸命なのだと
 相手に伝わるため、でしょうか。

「よかッたでスねッ♪」
「がるぐるるるっ!」(←訳:いやよくないっ!)

 ええ、雲行きは剣呑です。

 コイくんの言動に激怒する急患さん。
 コイくんと、いっこうに打ち解けてくれない患者さん。
 そして、コイくんのお祖父ちゃんの身に起きたトラブル。

 ああ、一人前のドクターへの道のりは、遠い……。

「うゥ~むッ、
 だめだめどくたーだけどォ」
「ぐるるるがるる~…」(←訳:ここまで来ると~…)
「おうえんしたくゥなッちゃうゥ!」

 深刻になりやすい医療小説を、
 あえて読みやすく、わかりやすく、
 笑いも添えて描かれたコイくんの七転八倒、いえ、
 七転び八起きものがたり。

 奇想天外すぎるファンタジーじゃなくて
 ほどよくフィクショナルな世界に浸りたいな~とお考えの活字マニアさんに
 おすすめの一冊です。
 本屋さんで探してみてくださいね♪

「いつもォ、あたふたッ!」
「がるぐるるがっるるぐるぐる!」(←訳:早く名医になってねコイくん!)





 
コメント
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