テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

橋よ、つなげ。

2014-04-27 22:07:11 | ブックス
「ここッ、こんにちわッ、テディちゃでス!
 まッくらァ~ッ、こわいィ!」
「がるる!ぐるるぅ!」(←訳:虎です!停電だぁ!)

 こ、こんにちは、ネーさです。
 つい数分前に復旧しましたが、
 先程までここ八王子市を含む多摩地域で大規模な停電が発生しておりました。
 皆さま、御無事でしょうか?
 (あ、多摩地域以外では停電はなかった模様ですね)
 では、気を取り直して、
 本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!

  



            ―― 橋をめぐる物語 ――



 著者は中野京子さん、2014年3月に発行されました。
 先日ご紹介しました『名画に見る男のファッション』では
 中野さんの本領である美術評論のパワー炸裂!でしたが、
 こちらは、歴史エッセイの色合いが濃い作品となっています。

 さて、テディちゃ、虎くん、
 橋、と聞いて思い浮かべるのは――

「ふァいッ!これでス!

 ♪ろんどんぶりッじィ~♪ふぉりィんだうんッ♪」

「ぐるるがっるるる!(←訳:ボクはこっちだよ!)

 ♪がるぅるるるるぐるがるるる♪」(←訳:♪アヴィニヨンの橋で踊ろうよ♪)

 ええ、そうですね。
 橋は、歴史上で重要な意味を持ち、
 人びとの生活にも大きく影響し、
 歌になったり、
 説話や童話の題材になったりもします。

 著者・中野さんが案内してくださるのは、
 古今東西の
 『橋をめぐる物語』。

「ろんどんばしィ!」
「がるぅるるる!」(←訳:アヴィニヨン!)

 西洋史の教科書に登場する、
 フランスのアヴィニヨン橋。
 いまはもう喪われた、NYのあのツインタワーに
 束の間ではあれど架けられた橋。
 日本の、徳島県鳴門市に築かれた小さな、
 けれど大きな友愛の心情がこめられた石の橋。

 彼岸――あちら側と、
 此岸――こちら側を結ぶ《橋》という存在は、
 その数だけドラマを生み出すかのようです。

「こだいのォ、はしィ!」
「ぐるるる!」(←訳:近代の橋!)

 米国サンフランシスコの金門橋――
 ゴールデンゲートブリッジ。

 近代に造られたこの橋にこびりついているのは、
 胸をかきむしられる、とでも言いたくなるような
 数えられぬほどの悲劇。

 けれど中野さんは
 一条の光をもって
 この橋の未来を示唆します。

 橋にめぐらされた運命の糸は
 悲しいものだけではないはずだ、と。

「はしのォ、むこうゥにはッ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:希望もあるよね!)

 美術も建築技術も歴史も
 ぜ~んぶ豪華に盛り合わせ、
 さらに輝きを増す中野さんの橋めぐり旅。

 人気の《怖い絵》シリーズと並ぶ筆の冴えに、
 私ネーさ、惚れ惚れいたしました♪
 このGWには
 長編フィクション作品よりも
 ノンフィクション系の御本を読んでみたいな~とお考えの活字マニア諸氏に
 イチのおすすめ、ですよ!

「♪てをつないでェ~♪」
「ぐるるるる!」(←訳:渡ろうよ橋!)




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする