テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ほんのりレトロな、パリ便り。

2014-04-29 21:35:48 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むぱッ! やッちまッたぞゥ!」
「がるる!ぐるるるー!」(←訳:虎です!なんでだー!)

 こんにちは、ネーさです。
 いやー、やっちまいましたね、
 前回記事でハクション大魔王さまをネタにしちゃったせいでしょうか、
 私ネーさ、見事な風邪っ引きとなりました。

「みなさまッ、ごようじんッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:寒暖差に注意!)

 早期回復を期してビタミンCをがっつり摂ったら、
 さあ、読書タイムです♪
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



             ―― クラーク巴里探偵録 ――



 著者は三木笙子(みき・しょうこ)さん、2014年2月に発行されました。
 前回記事で御紹介しました『お気のドクター』と同じく、
 文庫書き下ろし作品です。

「ぱりィ、でスかァ♪」
「がるるるる!」(←訳:おフランス!)
「♪おォ~♪しゃんぜりぜェ~♪」

 は~い、どうどう、落ち着いてちょうだいね。
 舞台はパリ……ええ、それに間違いはありませんが、
 時代が、現代からは100年近くも昔、なんですよ。

 日露戦争で日本が大国ロシア相手に勝利した、
 その少し後のこと。
 つまり、20世紀初頭のパリが
 物語の舞台です。
 (日露戦争は1904年~1905年)

 20世紀は戦争の世紀であった、とも言われますが、
 日露戦争ののち、
 ロシア革命、第一次世界大戦の火蓋が切られるまでの
 つかの間の平穏な期間がこの頃だった、のですね。

「だからァ、ぱりィはァ、はなやかッ!」
「ぐるぐるる!」(←訳:花の都です!)

 おりしも、
 花の都パリの興行界で
 たいそうな評判をとっている一座がありました。

 曲芸の素晴らしさで知られる《那須一座》は、
 名からも分かるように、
 日本人の座長さんを筆頭に
 亜米利加(アメリカ)、墨西哥(メキシコ)と巡業を重ね、
 ここ巴里でも連日満員御礼!

「ほほゥ! すごいィでスねッ!」
「がるぐるる!」(←訳:人気なんだ!)

 《那須一座》には、曲芸のプロさんたちと、
 彼らを補佐する裏方さん――番頭さんもいます。

 一座の番頭・片桐孝介(かたぎり・こうすけ)さんは
 頭脳のキレ味も鋭いやり手さんですが、
 このたび縁あって、
 異国で行き場を失くし
 途方に暮れている青年を引き取ることになりました。

 青年は名を、山中晴彦(やまなか・はるひこ)さんといいます。

「がいこくでェ、ひとりぼッちィ?」
「ぐるるがるる!」(←訳:それはキツイ!)

 華やかな興行界で名を上げた一座のもとには、
 時おり、奇妙な相談が寄せられます。

   幽霊屋敷謎を解いてくれ!

   ストーカーを撃退してほしい!

   消えた大金はどこへ行った?

 謎を解いて一座の信用を高めるため、
 孝介さんと晴彦さんは
 パリの街を東奔西走することに。

「みすてりィ、でスかァ~!」
「がるるぐるっ?」(←訳:解けるかなっ?)

 実際には、
 ミステリというよりも
 サスペンスフルなクライムストーリー、でしょうか。
 4話の短編から成る連作の結末に待っているのは
 ……はい、読んでのお楽しみ♪

「♪ぱりのォ♪そらのしたァ~♪」
「ぐーるるがるる~♪」(←訳:セーヌは流れる~♪)

 どこかノスタルジックな謎物語は
 著者・三木さんの得意とするところ。
 PCやらメールやら最新機器なぞ出て来ない御話を読みたい!とお考えの
 活字マニアさんにおすすめですよ。
 ぜひ!




 
 
コメント
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